6月24日と26日にマレーシアFAカップ準決勝の2試合が行われ、スーパーリーグで現在6位のKLシティが同8位のトレンガヌをPK戦で破り、この大会で最後に優勝した1999年以来24年ぶりとなる決勝進出を決めた一方で、昨季の王者でリーグ1位にジョホール・ダルル・タジムは若きエース、アリフ・アイマンのハットトリックなど、同2位のスランゴールを一蹴して2連覇に大手をかけています。
FAカップの決勝は来月7月22日にジョホールのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで開催されます。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)
マレーシアFAカップ2023 準決勝
2023年6月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:26,540人
トレンガヌ 0-0 KLシティ
(PK戦:トレンガヌ 2-4 KLシティ)
🟨トレンガヌ:アザム・アズミ、リリドン・クラスニキ、サフワン・マズラン
🟨KLシティ:カマル・アジズ、ザフリ・ヤハヤ、パウロ・ジョズエ
MOM:アズミン・アル=アミン(KLシティ)
いずれもクロアチア出身のトミスラフ・シュタインブリュックナー(トレンガヌ)、ボヤン・ホダック(KLシティ)両監督が率いるチームの対戦となったこの試合は、ホームサポーターの声援を受けて積極的に攻撃を仕掛けるトレンガヌにKLシティが組織的な守備で対抗する形の試合となりました。互いに好機を作りながら、ゴールを挙げられなかった両チームは90分内に決着をつけることができず、試合は延長戦に入りましたが、ここでも両チーム無得点だったことから、PK戦に突入しました。
このPK戦では、KLシティはマットコ・ジルダムがPKを外したものの、U23代表候補のGKアズミン・アル=アミンが、トレンガヌのニック・シャリフ・ハセフィとリリドン・クラスニキのシュートを止め、KLシティがPK戦4-2でFAカップ決勝進出を決めています。
KLシティはこの試合の前にブラジル出身のFWカイオンの退団を発表しました。KLシティのスタンリー・バーナードCEOは、カイオン選手がベトナム1部のハノイFCに移籍すること、またハノイFCが過去数週間に渡り、カイオン選手獲得に熱心だったことも明らかにしています。カイオン選手は昨季在籍したスランゴールでは、リーグ2位となる14ゴールを挙げたものの、スランゴールとは契約を延長せず、今季はKLシティと契約していました。しかし今季リーグ戦では14試合中、FWチェチェ・キプレ(コートジボワール)、MFロメル・モラレス(コロンビア)、DFセバスチャン・アヴァンジーニ(イタリア)、DFマットコ・ジルダム(クロアチア)ら他の外国籍選手との先発争いに敗れ、先発したのは7試合でしかもわずか1ゴールと期待外れに終わっていました。
マレーシアFAカップ2023 準決勝
2023年6月26日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:32,257人
ジョホール・ダルル・タジム 4-0 スランゴール
⚽️ジョホール:アリフ・アイマン3(20分、33分、38分)・フェルナンド・フォレスティエリ(47分)
🟨ジョホール:アリフ・アイマン
🟨スランゴール:ヤザン・アル=アラブ、クザイミ・ピー、ムカイリ・アジマル、ブレンダン・ガン
MOM:アリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジム)
リーグ戦では首位のジョホールと2位ののスランゴールの対戦となったもう1試合の準決勝は、スルタン・イブラヒムスタジアムに今季最多の3万2000人を超える大観衆を集める注目のカードでしたが、改めてジョホールの強さが思い知らされた試合結果となりました。
先日のFIFA国際マッチデーでは、ソロモン諸島戦で代表初ゴールを挙げ、続くパプアニューギニア戦では4ゴールを挙げた21歳のアリフ・アイマンが、この試合でも躍動。前半38分でハットトリックを達成する活躍で、ジョホールを2年連続の決勝へ導いています。本来は右ウィングながら、今季のアリフ選手はクロスをあげるだけでなく、時には自身で中へ持ち込んでシュートを打つ場面も多く見せていますが、この試合でも詰められればパス、シュートを打つスペースがあればゴールを狙うなど、積極的なプレーが印象に残りました。
リーグ戦での対戦では、今季チーム最多の4失点でジョホールに敗れていたスランゴールは、立ち上がりこそ両サイドに大きく展開し、また効果的なカウンターを見せるなどジョホールと渡り合ったものの、ジョホールGKシーハン・ハズミの好守に得点を阻まれ、早い段階で失点を重ねたことで徐々に劣勢に回り、2017年以来となるジョホール戦勝利も、2018年以来のFAカップ決勝進出も実現しませんでした。