東南アジア競技大会出場のU22代表20名が発表-初戦は今日のラオス戦
既にカンボジアで開幕している東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するマレーシアU22代表の最終メンバー20名がマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。チームの顔ぶれは、今年3月にシンガポールで開催されたマーライオンカップの優勝メンバーが大半を占める中、この大会には体調不良のため出場できなかったムカイリ・アジマル(スランゴール)が加わった20名となっています。
5月1日終了した代表候補合宿には25名が召集されていましたが、この中からシャキミ・カリム(ヌグリスンビラン)、ザルミエン・アシュラフ・イスマイル(クダ)、ファクルル・ファリーズ(スランゴール2)、ナズウィン・サレー(KLシティ)とラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が外れています。
既にカンボジア入りしているU22代表はグループステージB組に入っており、今日のラオス戦を皮切りに、5月6日にはタイ、8日にはベトナム、そして11日にはシンガポールとの対戦が続きます。またB組の上位2チームに入った場合にはノックアウトステージ進出となり、5月13日の準決勝、そして5月16日に3/4位決定戦、あるいは決勝へと進むことになります。
金メダルは2011年インドネシア大会を最後に、またメダル獲得そのものも2017年マレーシア大会を最後に遠ざかっているマレーシア。とは言え、この東南アジア競技大会でのメダル獲得に固執するのは、マレーシアサッカー協会FAMが単に思い入れが強いからだけにも思えますが、それでもここでメダルを取れないということは東南アジアのトップ3にマレーシアが入っていないことにもなるわけで、思い入れというよりはプライドをかけて、今回もメダルを取りに行くのでしょう。前回は準決勝には進出したものの、そこでベトナムに敗れ、さらに3/4位決定戦ではインドネシアに敗れたマレーシアですが、今回のメンバーには、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップでプレーしたムカイリ・アジマル、V・ルヴェンティラン(以上スランゴール)、ハキミ・アジム(KLシティ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)らもおり、メンバー的には他国に引けは取らないと思いますが、果たしてその結果はどうなるでしょう。
東南アジア競技大会2023年カンボジア大会 男子サッカー代表(U22代表)メンバー
氏名 | 年齢 | 所属 | |
GK | シーク・イズハン | 21 | NSE |
GK | アジム・アル・アミン | 22 | KLC |
DF | V・ルヴェンティラン | 22 | SEL |
DF | ハリス・ハイカル | 21 | SEL |
DF | ジクリ・カリリ | 21 | SEL |
DF | アザム・アズミ・ムラド | 22 | TRE |
DF | サフワン・マズラン | 21 | TRE |
DF | ウバイドラー・シャムスル | 20 | TRE |
DF | アズリン・アフィク | 21 | KDA |
MF | シャヒール・バシャー | 22 | SEL |
MF | ムカイリ・アジマル | 22 | SEL |
MF | アイマン・アフィフ | 22 | KDA |
MF | ナジムディン・アクマル | 19 | JDT II |
MF | ダリル・シャム | 21 | JDT II |
MF | アダム・ファルハン | 19 | JDT II |
MF | ムスリフディン・アティク | 22 | TRE II |
MF | T・サラヴァナン | 22 | KLC |
FW | アリフ・イズワン | 19 | SEL |
FW | ファーガス・ティアニー | 20 | JDT II |
FW | ハキミ・アジム | 20 | KLC |
東南アジア競技大会出場のU22代表からラーディアズリが落選したのは手のケガが原因
東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するマレーシアU22代表の最終メンバー20名が発表されましたが、スーパーリーグのトレンガヌではこれまで4試合にフル出場し、今季から背番号1をつけるラーディアズリ・ラハリムが落選しました。マレーシアサッカー協会はラーディアズリ選手の落選について、手のケガによるものだと発表していますが、このケガについてはラーディアズリ選手が自身のSNSに指の形が変形しているレントゲン写真とともに、シーゲームズに出場するU22代表を応援するコメントを投稿しています。
MFLはジョホールオーナーに対する負債があることを認める
マレーシア1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に対する負債があることを認めています。MFLのアブドル・ガニ・ハサン会長は、2020年シーズンの優勝チームに贈られる賞金が不足したことから、イスマイル殿下にその賞金の支払いを待ってもらったと説明し、今年の8月と10月に分割して支払う予定があることも明らかにしています。しかし、具体的な負債の金額は明らかにしていないと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
当時はMFLのCEOだったアブドル・ガニ会長は、ジョホールのオーナーであるイスマイル殿下に対して、賞金の支払いを分割で行わせてもらうよう依頼し、これをイスマイル殿下が受け入れたと説明しています。
「コロナ禍により当時3000万リンギ(およそ9億2000万円)のスポンサー料を失っていたMFLは、優勝賞金を分割で支払うことを提案し、これまで支払いを続けてきたが年内には完済する予定になっている。」と説明したアブドル・ガニ会長は、ジョホール以外のチームに対しては負債はないと話しています。
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今回の件の発端は、リーグ戦やカップ戦数試合でジョホールのサポーターが試合後に発煙筒を焚き、これが国内リーグ規定に違反していることからマレーシアサッカー協会FAMがジョホールに対して罰金処分を課したところ、ジョホールのオーナーのイスマイル殿下が、この罰金をジョホールに対してる負債の一部と相殺したいと発言したことでした。その後、FAMのハミディン・アミン会長がFAMはジョホールに対する負債がないことを明言し、続いてMFLがその負債を抱えていることを明らかにした、という展開です。それにしてもリーグの運営母体がそのリーグに所属するチームのオーナーに対して負債を抱えるというのは、なかなか他国では聞かない話ですが、リーグとチームの間に貸し借りがあることの影響について、ブルナマの記事だけでなく、他の新聞やサッカー専門サイトも何も言及せず、ただ事実のみを伝えているだけで、何か腫れ物に触るような扱いとなっています。かく言うボラセパマレーシアJPも、調子に乗って批判的な論調になれば、王室に対する侮辱罪に問われかねないので、この辺りにしておきます。