10月26日のニュース
ベルギーでプレーするルクマン・ハキムが今季リーグ戦初出場
ユースの国際招待大会スーパーモクカップ開幕
MリーグではVAR導入の予定は当面なし

ベルギーでプレーするルクマン・ハキムが今季リーグ戦初出場

ベルギーリーグの第14節が10月22日から24日にかけて行われ、マレーシア代表でもプレーする20歳のルクマン・ハキムが所属するKVコルトレイクは10月22日にホームのKVCウエステルロー対戦し、ルクマン選手がこの試合で今季リーグ戦初出場を果たしています。この試合はベンチスタートとなったルクマン選手は、88分にウルグアイ出身のFWフェリペ・アベナッティと交代出場し、試合終了までプレーしています。

試合は26分にハビブ・ゲイがレッドカードで退場し10人となったKVコルトレイクに対して、48分にニコラス・マドセン、83分にネネ・ドルジュレスがそれぞれゴールを挙げ、KVCウエステルローが2-0で勝利しています。なお、この日の敗戦で3勝2分9敗となったKVコルトレイクは、第14節を終えて18チーム中17位となっています。

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2018年のAFC U16選手権(現U17アジアカップ)の得点王となるなど、マレーシアの希望の星と期待されたルクマン選手は、2019年9月にマレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏が所有するKVコルトレイクと6年契約を結び、2020年の10月24日にアンデルレヒト戦でベルギーリーグデビューを果たしたものの、それ以降はトップチームでの出場はなく、この日のKVCウエステルロー戦が移籍後2試合目の出場でした。来季から改編されるMリーグ1部スーパーリーグに合わせて、国内クラブへの移籍の噂なども出ていましたが、この試合出場で今季もベルギーに残りそうな気配です。

ユースの国際招待大会スーパーモクカップ開幕

ユース国際招待大会のスーパーモクカップ2022年大会が、マレーシアのパハン州ガンバンにあるモクタル・ダハリアカデミーAMDのユースフットボールセンターで10月25日に開幕しています。U12、U13、U14の3つのカテゴリーで開催される今大会は今回が第6回大会、2019年以来3年ぶりの開催で、世界各地から集まった17チームが熱戦の火蓋を切っています。今大会は10月25日から27日までは一回戦総当たりのグループステージが行われ、休養日の28日を挟んで、29 日と30日に決勝ラウンドが行われます。

マレーシアサッカー協会FAMと、マレーシア政府のスポーツ青年省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPと、その中核をなすエリートアカデミーのAMDがそれぞれチームを編成して参加する他、パリ・サンジェルマン(フランス)、NKオシエク(クロアチア)、MFKルジョムベロク(スロバキア)らのヨーロッパ勢や、セレッソ大阪、ファジアーノ岡山(いずれも日本)、キム・ヨンフンアカデミー、華城FC(いずれも韓国)、RFヤング・チャンプス(インド)のアジア勢、そしてアショップフットボールアカデミー、アシアナサッカースクール(いずれもインドネシア)、ライオンシティー・セイラーズ(シンガポール)、ブリーラム・ユナイテッドFC、チョンブリーFC(いずれもタイ)、PVFフットボールアカデミー(ベトナム)ら東南アジア勢、そしてマレーシア国内からはトレンガヌ州のイブラヒム・フィクリ校(マレーシア)も参加します。

初めてクアラルンプール以外で開催された前回2019年大会では、U14はAMD、U12はNFDPとマレーシアのチームが優勝しましたが、U13はブリーラム・ユナイテッドU13がAMDを破って優勝し、マレーシア勢のタイトル総なめを阻止しています。ブリーラム・ユナイテッドU13は今大会にも出場しており、3年越しの連覇を狙います。

MリーグではVAR導入の予定は当面なし

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ1部スーパーリーグでのVAR(Video Assistant Referee「ビデオ・アシスタント・レフェリー」)運用について、その導入前に徹底的な検討を行う必要があるとし、当面の導入の可能性を否定していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

10月22日にブキ・ジャリル国立競技場で開催されたAFCカップ決勝、KLシティFC対アル・シーブクラブ戦で、マレーシア国内の試合では初めて導入されたVARですが、スーパーリーグでのVAR導入については様々な問題があると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが説明しています。

「スーパーリーグへのVAR導入には時間がかかることを理解して欲しい。VARを担当する審判員の養成だけでなく、スーパーリーグの試合が開催される全てのスタジアムの環境整備や機材設置なども必要になるが、スーパーリーグで使用されるスタジアムの大半はクラブの所有ではなく、公共施設であり、VAR導入に必要な改修が直ちに行えない可能性がある。特定のスタジアムにだけVARを導入することは公正を欠くことになる。」と説明し、VARの当面の導入の可能性を否定しています。

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そもそもですが、VARは国際サッカー評議会(IFAB:サッカーの競技規則を唯一、制定・改定できる組織)の承認を受けた組織、スタジアム、審判員でなければ使用できません。今回のAFCカップ決勝も、当初はKLシティの本拠地であるKLフットボールスタジアムでの開催となっていましたが、AFCがVAR導入を決めると、KLフットボールスタジアムの照明がVAR導入に必要な1800ルクスに達していないことが判明し、試合会場がブキ・ジャリル国立競技場へと変更となった経緯があります。

カップ戦などの試行錯誤を経て2021/2022シーズンからVARを導入したタイリーグ、2023年シーズンからのVAR導入が検討されているシンガポールリーグと、近隣諸国のリーグではVARの導入が進んでいます。そうでなくとも審判への信用が低いマレーシアこそVARの導入は優先事項だと思いますが、スチュアートCEOの発言を聞く限りではまだまだ先の話になりそうです。