今季は開幕時のコロナ禍による試合延期に始まり、JDTが出場するAFCチャンピオンズリーグやU23代表が出場した東南アジア競技大会やAFC U23アジアカップ、またKLシティとクダが出場するAFCカップとの日程調整で日程が変則となり、第11節に差し掛かったMリーグ1部スーパーリーグは、サラワク・ユナイテッドが11試合全てを終えている一方で、トレンガヌはまだ6試合しか消化していません。
7月26日から始まる第13節からは12チームの足並みが揃う予定ですが、それまでのおよそ1ヶ月間はマレーシアFAカップと第12節までの未消化試合を解消する期間となり、変則日程での試合が続きますが、今週は第2節、第6節、第7節の未消化試合が開催されています。
2022年6月28日(火)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)JDT 4-0 PJシティ
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(23分、65分)、フェルナンド・フォレスティエリ2(26分、85分)
🟨JDT(0)
🟨PJシティ(1):D・クガン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
この試合は第7節の未消化試合です。
先週のスランゴール戦で5-1と圧勝したJDTがこの試合でも得点王争いの首位を走るベルグソン・ダ・シルヴァの2ゴールなどで圧勝し、今季の無敗記録を9に伸ばしています。2ゴールを挙げていたベルグソン・ダ・シルヴァがGKと1対1となった85分にはハットトリックのチャンスがありながら、敢えてフリーのフェルナンド・フォレスティエリにパスを出したところにJDTの強さを改めて見た気がした試合でした。
AFC選手権アジアカップ最終予選で滑り込みで本戦出場を獲得したマレーシア代表メンバーがこの試合では先発に5名、さらにベンチも5名が控えるJDTは、いわばA代表を外国籍選手で補強した国内最強クラブ。そのJDTは今季2度目のトランスファーウィンドウでは、昨季はKLシティでプレーしながら、シーズン終了後には新型コロナワクチン接種を拒否して退団、出身地の英国に帰国していたDFダニエル・ティン、そしてスペイン生まれで各年代代表でもプレー経験があるもの、祖母がインドネシア出身であることからインドネシア代表としてプレーすることを決めたジョルディ・アマト(ベルギー1部KASオイペンから加入)を獲得するなどえげつない補強を行っています。
一方のPJシティはGKカラムラー・アル=ハフィズが好セーブを見せ、一方的に攻められながらも4失点で済んで良かった、という印象でした。
2022年6月28日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴール 1-1 サバ
⚽️スランゴール:カイオン(3分)
⚽️サバ:サディル・ラムダニ(56分)
🟨スランゴール(4):ユーリ、シャルル・ナジーム、ヤザン・アル=アラブ、カイオン
🟨サバ(2):ゲイリー・スティーヴン・ロバット、バドロル・バクティアル
MOM:ブレンダン・ガン(ペナン)
この試合も第7節の未消化試合です。
先週の試合でJDTに1-5と完敗したスランゴールのミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督は、代表GKのカイルルアズハン・カリドに代えてサミュエル・サマーヴィル今季初先発させています。昨季オフにペナンから移籍したサマーヴィルにとってはこれがスランゴールでの初出場となっています。
ここまで3連勝中のサバに対し、スランゴールは開始3分にサバDF陣のミスからその裏に抜け出たカイオンが今季11得点目(8試合)となるゴールを決めて先制します。その後も攻撃の手を緩めいないスランゴールはブレンダン・ガン、ユーリ、ムカイリ・アジマルと次々にシュートを放つものの得点には至らず、前半は1-0で終了します。
防戦一方だったサバは57分に同点に追いつきます。AFC選手権アジアカップ最終予選でインドネシア代表に招集された後、チーム合流が遅れたことで非難されていたサディル・ラムダニがドリブルでスランゴールDF3名をかわして見事なゴールを決めて、試合は振り出しに戻りました。
その後もスランゴール優勢で試合は進んだものの、結局、両チームとも無得点で試合は引き分けに終わっています。
スランゴールにとって朗報は、この日はキャプテンマークを巻いたブレンダン・ガンがJDT戦に続き、中3日の強行日程にもかかわらず2試合連続でフル出場できたことではないでしょうか。昨季後半から精巣腫瘍の治療で練習もままならなかったガン選手が完全に復調したことで、ここからスランゴールの巻き返しに期待したいところです。
一方、この試合が今季初の引き分けとなったサバは、2度目のトランスファーウィンドウでFWネト・ペソアに代えて獲得したFWジョゼ・エンバロ(29歳、ポルトガル出身、アルメニア1部アラシュケルトFCから加入)がこの試合でMリーグデビューを果たしています。リーグ優勝はもちろん、来季のAFC大会出場権獲得のためにも、まだ2試合を残しているJDTや、開幕戦で敗れているヌグリスンビランといった上位チームとの対戦に向けて、戦力補強に怠りなし、といったところでしょうか。
サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。
2022年6月28日(火)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 0-0 ヌグリスンビラン
🟨トレンガヌ(1):パペ・ディアキテ
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、ハリズ・カマルディン
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
この試合は第2節の未消化試合です。
この試合前の順位が7位のトレンガヌは、この前の試合では最下位のペナンに今季初勝利を献上し、チームの連勝も3で止まっています。ここまでリーグ戦は6試合しか消化しておらず、試合数が少ないとはいえ、上位進出のためにはここから勝点を積み上げていきたいところです。
一方のヌグリスンビランは、今季が1部スーパーリーグ昇格初年度ながら前半戦は好スタートを切り、直近の5試合を見てもスコアレスドロー2試合を含めて2勝2分1敗、得点5失点2、敗れたのは10分と異常に長い疑惑のロスタイムに失点して0-1と敗れたJDT戦のみです。
そんな両チームの対戦は、予定通り9時キックオフとなったものの、直後の豪雨で70分間中断。再開後もボールが走らない劣悪なピッチで行われました。前半は両チームともゴール前で苦しみ、無得点で折り返し、後半はトレンガヌが優勢ではあったものの、代表でもプレーするヌグリスンビランGKシハン・ハズミの好守もあり、やはり無得点で終了しています。
2022年7月2日(土)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 1-1 JDT
⚽️マラッカ:ジャスティン・バース(39分)
⚽️JDT:レアンドロ・ヴァレスケス(27分)
🟨マラッカ(3):ソニー・ノルデ、ブライアン・シー、ワン・アミルル・アフィク
🟨JDT(2):レアンドロ・ヴァレスケル、マシュー・デイヴィーズ
MOM:ソニー・ノルデ(マラッカ・ユナイテッド)
この試合は第6節の未消化試合です。
16分にエースのベルグソン・ダ・シルヴァが足首を痛めて退場したJDTが、下位のマラッカ・ユナイテッドと引き分けで連勝が2でストップしています。
2022年7月5日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 2-0 スランゴール
⚽️マラッカ:イフェダヨ・オルセグン2(39分、57分)
🟨マラッカ(2):ファディル・イドリス、ワン・アミルル・アフィク
🟨スランゴール(2):ファズリ・マズラン、リッチモンド・テタ
MOM:ブライアン・シー(マラッカ・ユナイテッド)
この試合は第8節の未消化試合です。
昨季はスランゴールに在籍し26ゴール(22試合)を挙げてリーグ得点王を獲得したイフェダヨ・オルセグンは、今季開幕前にマラッカに移籍しましたが、この試合までは2ゴール(9試合)と期待通りの働きができていませんでした、そのオルセグン選手が古巣相手に2ゴールを挙げ、マラッカの勝利に貢献しています。
2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第11節一部終了時)
| チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 |
1 | JDT | 8 | 7 | 1 | 0 | 24 | 4 | 20 | 22 |
2 | NSE | 11 | 5 | 5 | 1 | 14 | 7 | 7 | 20 |
3 | SAB | 9 | 6 | 1 | 2 | 16 | 8 | 8 | 19 |
4 | KDA | 9 | 4 | 2 | 3 | 13 | 17 | -4 | 14 |
5 | KLC | 10 | 4 | 1 | 5 | 16 | 18 | -2 | 13 |
6 | SEL | 8 | 3 | 3 | 2 | 21 | 15 | 6 | 12 |
7 | TRE | 7 | 3 | 1 | 3 | 8 | 7 | 1 | 10 |
8 | SWU | 11 | 3 | 1 | 7 | 11 | 26 | -15 | 10 |
9 | PJC | 9 | 2 | 3 | 4 | 12 | 18 | -6 | 9 |
10 | MEL | 8 | 2 | 2 | 4 | 8 | 11 | -3 | 8 |
11 | SRP | 9 | 2 | 2 | 6 | 12 | 18 | -6 | 8 |
12 | PEN | 10 | 1 | 4 | 5 | 12 | 18 | -6 | 7 |
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド
2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第11節一部終了時)
| ゴール数 | 選手名 | 所属 |
1 | 13 | ベルグソン・ダ・シルヴァ | JDT |
2 | 10 | カイオン | SEL |
3 | 7 | ロナルド・ンガ | KDA |
| 7 | フェルナンド・フォレスティエリ | |
5 | 5 | エラルド・グロン | NSE |
| 5 | ダレン・ロック | PJC |
| 5 | マヌエル・イダルゴ | SRP |
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド