1月5日のニュース
トレンガヌはアンブロと2年5000万円のサプライヤー契約
Mリーグでコーチングライセンスの名義貸しが横行?

Mリーグ1部トレンガヌFCはクラブ公式サイトでイギリスのスポーツブランド「アンブロ」と総額180万リンギ(およそ5000万円)のサプライヤー契約を結んだことを発表しています。

2019年から2021年まではマレーシア国産ブランドのアル=イサン スポーツとサプライヤー契約を結んでいたトレンガヌFCは、このアル=イサン スポーツがそのマレーシア国内代理店となっているアンブロ社と2022年と2023年の2年間にわたるサプライヤー契約を結んだことを発表していますが、この契約はアンブロ社にとってはMリーグクラブと結んだ過去最大の契約となっています。またトレンガヌFCは今季2022年シーズンにアンブロ社と契約しているMリーグ唯一のクラブということです。

Mリーグでコーチライセンスの名義貸しが横行?

Mリーグの複数のクラブでプロライセンスを持つコーチを監督して登録しながら、実際にはライセンスを持たない人間が実質的な指導をしてると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

これを告発した元代表選手のジャマル・ナシル氏は、プロコーチライセンスを所持していない人物に監督をさせたいMリーグクラブが、プロコーチライセンスを持つ別のコーチを名目上の監督に据え、そのライセンスを使って意図する人物に指導をさせる不正行為が行われているケースや、クラブが経費を節約する目的でこの不正行為を行なっているケースもあると説明しています。

さらにジャマル氏は、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するMFLが気づいていないのか、気づいていないふりをしているのかはわからないが、この不正行為は既に数年前から続いているとも述べ、ライセンスを持つ指導者の能力が生かされず、ライセンスを持たない指導者が自由に指導できるこの不正行為が取り締まられない限り、代表チームの不振は今後も続いていくだろうと話しています

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これについてはマレーシア語紙ハリアンメトロも取り上げており、その記事の中でマレーシアサッカーコーチ協会PJBMのB・サティアナタン会長もこの名義貸しが行われているという話を聞いたことがあると認め、もしPJBMのメンバーがこの不正行為に加担していることが明らかになれば、厳重処分を科すと述べています。

元マレーシア代表監督でもあり、現在はサラワク・ユナイテッドFCのテクニカルディレクターを務めるサティアナタン氏は、PJBMのメンバーから具体的な報告を受けたことも明らかにしています。「(Mリーグ3部に当たる)M3リーグのコーチがあるクラブから監督就任の依頼を受けたが、その条件はそのクラブのアシスタントコーチが指揮を取り、このコーチには実権が与えられない、という内容だったようで、最終的にこのコーチからはその依頼を断ったと報告を受けている。」

また経費節約目的の名義貸しについては、プロライセンスを持つコーチの月給は最低でも10000リンギ(およそ28万円)、ディプロマ保持者なら25000から30000リンギ(およそ69万円から83万円)となる一方で、1ヶ月あたり2000から3000リンギ(およそ5万5000円から8万3000円)を支払ってその名義のみを借りることで、実際に雇用した場合との差額を節約できると説明しています。

この記事の最後でサティアナタン会長は多くの時間と費用を費やしてプロコーチライセンスを取得しても、不正行為を行う一部のコーチによって、それを活用する場が奪われてしまうとして、名義貸し行為はコーチが自分の首を絞めかねない自殺行為であると批判しています。

なおハリアンメトロの取材に対し、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長はコメントを控えるとし、MFLとこの不正行為疑惑について協議する予定があると回答しているということです。