12月30日のニュース(2):FAM-MSNプロジェクトはハサン・サザリ新監督を発表、アセアンの選手はMリーグに興味なし?

FAM-MSNプロジェクトはハサン・サザリ新監督を発表

今季Mリーグ2部プレミアリーグに参戦し、11チーム中11位の再開となったFAM-MSNプロジェクトは、来季もプレミアリーグ参戦が決まっていますが、今季を指揮を取ったユスリ・チェ・ラー監督は任期1年を残して既に退任していますが、その後任にハサン・サザリ氏が就任したことがマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。

FAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPとその中核をなすエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDに所属するする18歳から19歳の選手で構成されているチームで、今季初参戦となったプレミアリーグでは20試合で1勝3分16敗、得点12失点56という成績で10位とは勝点差11をつけられて最下位でした。

就任が発表されたハサン・サザリ新監督は、2010年代前半にハリマウ・ムダC(ヤングタイガーズC)と呼ばれていたU19代表監督の経験に加え、A代表やU23代表のアシスタントコーチやFAM内でコーチングコースの指導教官なども歴任しています。11名の候補者の中から選ばれたハサン新監督は今季から残留するコーチ陣とともに2022年1月1日より指導を開始するということです。

アセアンの選手はMリーグに興味なし?

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表はグループステージで敗退しましたが、マレーシアの英字紙ニューストレイトタイムズはこの結果によって、マレーシアの国内リーグMリーグでプレーするアセアン出身選手が激減する可能性を指摘しています。

サッカー選手の代理人に話を聞いているこの記事では、今回のスズキカップ2020での代表チームの早期敗退により、Mリーグの「質」に疑問が持たれ、その結果としてMリーグクラブがアセアン出身の選手を獲得することが難しくなるという声が紹介されています。さらにその結果としてアセアンのトップレベルの選手はタイリーグに活躍の場を求めるようになると指摘しています。

Mリーグクラブに所属しているアセアン出身選手にはKLシティFCのケヴィン・メンドーザ(フィリピン)、スランゴールFCのサフアン・バハルディン(シンガポール)、サバFCのサディル・ラムダニ(インドネシア)らがいますが、今後はMリーグが各クラブに認めているアセアン出身選手枠を使って有力選手を獲得することは難しくなるだろうと話す代理人もいます。またMリーグでプレーするくらいならむしろタイの2部リーグでのプレーを選ぶ選手や、レベルの高さからベトナムリーグを検討する選手も増えていると話すこの代理人は、今後はMリーグはスズキカップで露呈したマレーシア代表のレベルの低さから、Mリーグがアセアン出身の選手にとって「最後の選択肢」となるだろうと述べています。

*****
東南アジアのEPL(英国プレミアリーグ)となるべく進化し続けるタイリーグに比べれば、現在のMリーグが見劣りするのは紛れもない事実です。古くはキャティサック・セーナームアン(タイ)、バンバン・パムンカス(インドネシア)などアセアン各国の主力が集まっていたMリーグも今は昔。噂レベルですが、スズキカップ2020にも出場してたイエスペル・ニホルム(フィリピン)をMリーグクラブも獲得に動いていたようですが、結局タイリーグ入りしたようですし、タイリーグでプレーする選手たちもそこから日本や韓国、さらには欧州を目指す選手もいる中、Mリーグで満足する選手で溢れるマレーシア国内リーグはキャリアップの役には立たなそうです。

12月30日のニュース(1):スズキカップ2020-決勝第1戦はタイが圧勝

スズキカップ2020決勝第1戦

2021年12月29日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
インドネシア 0-4 タイ
得点者:タイ-チャナティップ・ソングラシン2(2分、52分)、スパチョク・サラチャット(67分)、ボディン・ファラ(83分)

スズキカップ2020の決勝インドネシア対タイの第1戦が行われ、タイがチャナティップ・ソンクラシンの2ゴールなどで4-0と大勝し、2022年1月1日の決勝第2戦に大きなアドバンテージを得て、2016年大会以来の優勝へ大きく前進しました。

試合開始からフィリップ・ローラー、トリスタン・ドーの両SBが高い位置でプレスをかけるタイは、開始2分でそのローラーがインドネシアDFに囲まれながらも、マイナスのパスをフリーのチャナティップ・ソングラシンへ。これをチャナティップがゴール右上に決めてタイが先制します。

37分にエリアス・ドラーが負傷退場すると、フォーメーションを変えたタイに対してインドネシアもチャンスを作るようになり、40分にはアルフェアンドラ・デワンガがタイGKシワラック・テースーンヌーンと1対1の決定機を得ますが、放ったシュートはゴールポストの遥か上に外れます。一方タイも前半ロスタイムにはボディン・ファラとやはり1対1になったインドネシアGKナデオ・アルガウィナタがパンチングでシュートを防ぎ、前半はタイが1点をリードして終了しました。

インドネシアのシン・テヨン監督は後半開始から長身のエルカン・バゴットに加えてエヴァン・ディマスとカデック・アグンを早々と投入し、セットプレーに正気を見出そうとしますが、逆に52分にはカウンターから前掛かり気味になっていたインドネシアDF陣をかわしてスパチョク・サラチャットがゴール前に持ち込むと、そこから走り込んできたチャナティップ選手へパス。これを決めたチャナティップ選手がこの試合2点目を挙げて、タイが2-0とリードを広げます。

インドネシアは61分にはイルファン・ジャヤがGKと1対1になりますが、ここでもタイGKシワラック・テースーンヌーンがシュートをブロックし、インドネシアはゴールを奪えません。

67分には再び右サイドのフィリップ・ローラーがクロス。これをポックラウ・アナンがスルーし、ペナルティエリアの外からスパチョク・サラチャットゴール左隅に決め、これでタイが3-0、さらに83分にはインドネシアのクリアミスを奪ったボディン・ファラのシュートが決まり、タイが4-0として勝負あり。最後は第3GKのカウィン・タンマサッチャーナンを投入する余裕まで見せたタイが、シュート数19、内オンターゲット9、一方のインドネシアはシュート数4、オンターゲット1と、最後はインドネシアをスコア以上に圧倒しました。決勝戦は2試合制で行われますが、第2戦の意味すら無くなりそうなタイの圧勝でした。

(映像はスズキカップ2020公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日(月)
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム 0-0 タイ

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – タイ

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
タイ – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)