マレーシアカップは準決勝となり、今日11月22日はホームアンドアウェイ方式の第1戦が開催されます。今季最後の大会にはJDT、トレンガヌFC、KLシティFCそしてマラッカ・ユナイテッドFCの4チームが残っていますが、他のチームは既に来季に向けた準備を始めています。そんな中、Mリーグの2チームが新監督就任を発表していますが、いずれも内部昇格なのが興味深い点です。
ファイヒテンバイナーTDがスランゴールFC新監督就任
Mリーグ1部のスランゴールFCは、クラブのテクニカルディレクター(TD)を務めるミヒャエル・ファイヒテンバイナーの新監督就任をクラブの公式サイトで発表しています。なおファイヒテンバイナー新監督はクラブのスポーティングダイレクターも兼任することも併せて発表されています。
今季のスランゴールFCは今季開幕前に就任したカルステン・ナイチェル監督が若い選手を積極的に起用するなど、育成しながら勝つという難題を抱えながらMリーグに臨み、リーグ戦は昨季と同じ5位、マレーシアカップでは準々決勝で敗退していました。フォルカー・フィンケ監督時代にはJリーグの浦和でコーチの経験もあるナイチェル監督はスランゴールFCと2年契約を結んでいますが、解任された後については何も発表されていません。
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今季リーグ得点王のイフェダヨ・オルセグンを擁するスランゴールFCですが、今季はセカンドチームのスランゴールFC2から多くの若手を昇格させ、「育成」を目的に選手起用を行ったシーズンだったことから、ナイチェル監督の解任理由がリーグ5位やマレーシアカップ準々決勝敗退という成績が理由であれば、開幕当初のクラブの方針がそもそも違っていたということなります。A代表にも招集されたU22代表主将のMFムカイリ・アジマルだけでなく、FWダニアル・アスリ、DFシャルル・ナジームに代表される若手が各ポジションでレギュラーとなるなど。ナイチェル監督に責任を負わせるのだとすればそれは見当違いなだけでなく、育成を後回しにすればクラブは「暗黒の時代」に戻りかねません。
リーザル・ザムベリ監督代行が正式にケランタンFC監督に就任
Mリーグ2部のケランタンFCは、今季途中から監督代行を務めていたリーザル・ザムベリ アシスタントコーチの監督就任をクラブの公式Facebookで発表しています。契約は3年契約ということです。
今季就任したイタリア出身のマルコ・ラギニ監督は8月7日の試合を最後に、椎間板ヘルニアの手術を受けるため母国イタリアへ帰国しており、この間はザムベリ監督代行がチームの指揮を取っていました。
クラブのノリザム・トゥキマン オーナーは2023年のMリーグ1部復帰を厳命していますが、リーザル新監督は正式に監督となったことで、自身の戦術や戦略に合わせた選手の起用ができることから、オーナーの厳命はプレーシャーとは感じず、むしろ好機と受け止めたいと話しています。
スランゴールFCはガン治療中のブレンダン・ガンとの契約更新
スランゴールFCは、現在、ガン治療中のブレンダン・ガンとの2022年の契約を更改したことを公式クラブサイトで発表しています。
2020年にペラFC(当時ペラFA)から移籍してきたガン選手はクラブで主将を務めていた他、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表のプレーを最後に、自身の精巣腫瘍の治療を受けるために今季はプレーしないことを公表していました。
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このブログでも取り上げましたが、JDTのトゥンク・イスマイル オーナーが「ガン治療中の選手の来季の給料が半減されると聞いた」と契約クラブを非難する投稿をソーシャルメディアに挙げ、それに対してスランゴールFCとガン選手の両方がそれを否定する内容を挙げて反論するなど、ちょっとした事件になっていました。今回の契約内容は不明なものの、来季もガン選手はスランゴールFCに残留することになったのはまずは良かったと言えるでしょう。