5月16日のニュース:6月開幕予定のM3リーグが延期、FIFAがクラブ消滅による未払い給料補助を147選手に支給、M3リーグクラブに先住民族の選手が加入

6月開幕予定のM3リーグが延期
 6月4日に予定されていたM3リーグの開幕が延期となったことを、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 Mリーグ3部にあたるM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのユソフ・マハディチェアマンは、新型コロナウィルス感染拡大防止のため現在、マレーシア全土に施行されている行動制限令MCOの期限が6月7日となっていることを延期の理由としています。
 新型コロナウィルスの影響により昨季は中止となったM3リーグですが、今季は中止ではなくあくまでも延期であることを強調したユソフ チェアマンはMCO施行により練習を行えない各クラブにリーグ開幕まで準備期間として少なくとも1ヶ月は確保する必要があるとも話し、7月開幕を検討しているとしています。
 その一方で、今後の国内の新型コロナウィルスの感染状況によるとし、MCO期間がさらに延長されることがあれば開幕も延期される可能性があること、またさらに開幕が遅れれば、今季は20クラブが参加するM3リーグを集中開催方式で行う可能性も示唆しています。

FIFAがクラブ消滅による未払い給料補助を147選手に支給
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で国内の147選手を対象にクラブ消滅による未払い給料の補助が国際サッカー連盟FIFAより交付されたことを発表しています。これにより一人当たり5000リンギから38000リンギ(およそ13万3000円から101万円)が支給されるということです。
 クラブからの給与未払いに苦しむ選手の支援を目的に2020年にFIFAと国際プロサッカー選手会FIFProが共同で創設した基金FIFA Fund for Football Players(FIFAサッカー選手基金、FIFA FFP)による支援に対しては世界36カ国の109クラブについて1000名を超える選手からの申請があった中、FIFAはマレーシアから申請した147選手について2015年7月から2020年6月までの未払い給料に対する補助交付を承認しています。
 マレーシア国内からの申請はFAMの地位委員会による審査を経たのち、同じFAMの法務部門と協力してマレーシアプロサッカー選手協会PFAMを通して行われました。またその際には消滅してしまったクラブの情報についてFAMからFIFAへ情報提供がされたということです。
 今回のマレーシアからの申請に対して、FIFA FFPは第1回の補助として総額で188万リンギ(およそ4980万円)を交付していますが、これはFIFA FFPの総額1600万米ドルの2.85%に当たるということです。
 FAMはこの補助については、該当選手の銀行口座情報を受け取った時点で直ちに支給が行われるとする一方で、これで給料未払いが完済されたわけではないとして、消滅したクラブの県警者に対して今後も引き続き残りの未払い給料について完済するよう求めていくとしています。
 なお今回の支給の対象となったのは既に消滅してしまったトレンガヌシティFC、プルリスFA、マルセラ・ユナイテッドFC、クアンタンFAそしてハネランFCの5つのクラブに所属していた選手です。

M3リーグクラブに先住民族の選手が加入
 来月6月に開幕するMリーグ3部にあたるM3リーグ。今季からこのM3リーグに参加するMNY FCにオランアスリ(マレーシアの先住民族)の選手が加入したことをマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版が報じています。
 マレー半島に住むオランアスリ(オランは「人」、アスリは「最初の、本来の」の意味のマレーシア語)はマレーシアの人口の1%にも満たない少数民族ながら、最も古くからマレー半島に居住している民族でもありますが、そのオランアスリでいずれも19歳の選手2名が今季M3リーグ初参戦となるペラ州イポーに本拠地とするMNY FCに加入しています。
 ペラ州イポーで開催された今季のチームの選手紹介イベントで加入を発表されたのケランタン州出身のレフォン・ロスランとペラ州出身のムハマド・ハイケル・アリ・レフォンで、両選手はMNY FCが創設した育成チームの出身ということです。
 MNY FCはこのオランアスリの両選手に加え、Mリーグ1部スーパーリーグでのプレー経験がある複数の選手が参加することも発表されており、2017年に創設された新しいクラブながら今季のM3リーグでは注目のクラブとなりそうです。