5月12日のニュース:「神の手」ゴール-FAMは審判らを処分対処に、ペラ州FA-ペラFC経営陣は給料未払い問題の迅速な解決を、MFL-サポーターの発煙筒投入でペラFCを処分

 Mリーグは断食月明けの祝日もあり先週末で中断期間に入りました。5月16日からはW杯予選に出場する代表候補合宿が始まり、6月には代表はW杯予選、昨季チャンピオンのJDTはAFCチャンピオンズリーグ、同2位と3位のクダ・ダルル・アマンとトレンガヌはAFCカップがそれぞれ控えています。なお、Mリーグは1部スーパーリーグは7月9日から、2部プレミアリーグは6月18日から再開します。
 また5月30日までは今年2度目のトランスファーウィンドウ期間となっており、前半戦不振のクラブを中心に今月は選手の加入、退団などのニュースが多くなりそうです。

「神の手」ゴール-FAMは審判らを処分対処に
 先週末に開催されたMリーグ1部スーパーリーグ第13節のUITM FC対KLシティFCでは、ロスタイムにKLシティのシュコル・アダンが「神の手」ゴールで同点に追いつき、UITMの今季初勝利が「奪われ」ました。映像で見る限りはゴール前に上がったパウロ・ジョズエのフリーキックに対して両手を挙げた跳んだシュコル選手の手に当たっているように見える一方で、身体の他の部分は接触していませんでした。UITMの選手は主審に激しく抗議しましたが、主審はそれを受け付けませんでしたが、さらに酷かったのは試合後に発表されたFAMの公式記録では得点者がシュコル選手となっていたことでした。これがシュコル選手の後ろにいたUITMの選手の自殺点とされれていればおそらく話はここで終わりましたが、シュコル選手のゴール認定により、公式に「神の手」が認められたことになります。
 マレーシアの通信社ブルナマの報道によれば、この一件についてマレーシアサッカー協会FAM審判委員会のS・シヴァスンダラム委員長は、(UITMの勝利から引き分けと)試合の結果を変えることになった反則を見逃すという職務怠慢を理由に、シャリザン・ソリヒム主審を含めこの試合の全ての審判に対して処分を行うことを発表しています。
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 審判の処分は決まっても、試合の結果が覆ることがないでしょうからUITMにとってはやられ損、シュコル選手はやり得で結局、話が終わってしまいそうです。また今回の一件で審判に対する心証もさらに悪くなってしまうことは必至です。

ペラ州FA-ペラFC経営陣は給料未払い問題の迅速な解決を
 給料未払い問題により選手が練習ボイコット、さらに主力選手が続々と退団し始めたMリーグ1部スーパーリーグのペラFCに対し、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)は先日、責任を取って辞任したペラFCのリザル・アリ・ナイザリCEOに対し、辞任後も継続して給料未払い問題の解決に取り組むことを求めていると、ブルナマが報じています。
 ペラ州FAのムハマド・ヤザン・モハマド会長代行は、リザルCEOの辞任は問題の解決には繋がらないだけでなく、この問題の責任をとるべき人物が不在となる事態を非難しています。またペラ州FAはこの給料未払い問題に関しての責任を負うつもりがないとも話しています。
 この問題の責任をとることを理由に辞任したリザルCEOですが、ペラFCのオーナーを広く募集したいとしているものの、それ以上は何もせず辞任したことに対し非難が集まっていました。
 ペラ州FAのヤザン会長代行は、給料未払い問題は目新しい問題ではなく、クラブは州政府に資金を依存する体質が変わらないまま運営されてきた結果だとし、まずはクラブの生き残りのために新たなオーナーを探すことが優先されるべきとしています。
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 国内サッカーは州対抗戦として始まった歴史的背景もあり、州政府からの資金で運営されてきた大半のMリーグクラブにとっては人ごとではない問題です。コロナウィルスによる無観客試合による入場料収入減なども不遇な面もありますが、コロナ禍のここ1年でもこのペラFC以外にもクダ・ダルル・アマン、スリ・パハン、マラッカ・ユナイテッド、さらにはPDRMなどで給料未払いが起こっており、今後も同様の問題が明らかになる可能性があります。

MFL-サポーターの発煙筒投入でペラFCを処分
 給料未払い問題から主将のシャールル・サアドと帰化選手のギリェルメ・デ・パウラが退団したペラFCは、先週末に行われた第13節、本拠地で開催されたスリ・パハンFCでは経営陣に不満を表明する一部サポーターが試合中のピッチに発煙筒を投げ込み、試合が一時中断する事態が起こりました。
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナウィルス感染拡大防止のため入場制限を行なっている最中で起こったこの件を重く見て、試合主催者のペラFCを処分すると述べています。
 現在はマッチコミッショナーの報告を待っていると述べたアブドル・ガニCEOは、現在のクラブを取り巻く状況に不満を持った一部のペラFCサポーターによる行動だろうと述べ、このような行動はむしろ自身が応援するクラブにとって不利益になることを理解するべきだと話し、このような行為に対して厳罰で対処すると話しています。
 なおこの試合はペラFCはスリ・パハンFCに敗れています。