4月29日のニュース:マラッカ・ユナイテッドは監督交代を否定、UITMは「休養」中の監督が復帰、降格圏のパハンにミャンマーU23のエースが加入か、ペナン州政府はペナンFCのトップ6入りを期待

マラッカ・ユナイテッドは監督交代を否定
 Mリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドは第10節を終えて3勝4分3敗の8位と低迷し、後半戦に向けて監督交代が噂されていますが、クラブのモハマド・サイフル・マット・サプリCEOは新監督候補者との面談などは全く行っていないと話す一方で、既に10を超える候補者から履歴書を受け取っていると話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版はサイフルCEOの話として、現時点では経営陣では新たな監督候補についての話し合いは全く行われておらず、監督交代は単なる「噂」であると述べる一方で、5名の外国籍選手については前半戦が終了する第11節までそのパフォーマンスについて精査していくとしています。
 5月3日から開く今年2度目のトランスファーウィンドウ期間中に外国籍選手の顔ぶれが変わる可能性についてブリタハリアンから問われたサイフルCEOは、その可能性は否定しなかったものの、クラブの予算次第であると答えるにとどまっています。
 また別のマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版では、今季開幕前に突然退団したメフメト・ドゥラコヴィッチ前ペラ監督や昨季いっぱいでMリーグを脱退したフェルダ・ユナイテッドの前監督のニザム・ジャミル氏の名前がザイナル監督の後任候補として取り上げられていますが、ウトゥサン・マレーシアはマラッカ・ユナイテッドの予算を考えると経験豊富な分、高給が必要となるオーストラリア出身のドゥラコヴィッチ前ペラ監督よりも給料が低く抑えられるニザム前フェルダ・ユナイテッド監督がより有力な候補ではないかと予想しています。
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 2019年シーズンに就任したザイナル監督は監督初年度は6位、昨季は9位、そして今季は現在8位という成績で、昨季終了後は監督交代が一旦発表されたものの、クラブから汚名挽回の機会を与えられて今季も監督とになったという経緯があります。
 ザイナル監督を批判しきれない理由として、マラッカ・ユナイテッドは昨季に続き今季も給料未払い問題により勝点3を剥奪される処分を科されていることがあります。昨季の9位という成績も剥奪された3点を加えれば7位にまで上昇し、今季も剥奪された3点を加えればやはり7位に浮上します。給料未払い問題はプレーする選手のモチベーションにも直結するでしょうから、給料が支払われていれば、チームの成績自体も改善していた可能性があり、ピッチ外の問題の影響でチームの不振の責任を取らされるのはザイナル監督としても本意ではないでしょう。

UITMは「休養」中の監督が復帰
 開幕からの7試合で1分6敗という成績から「休養」中だったUITMのフランク・ベルンハルト監督は3試合ぶりにクラブに復帰し、早速練習で指揮をとったとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 ベルンハルト監督が「休養」した3試合は、クラブのテクニカルディレクターを務めるレズアン・アブドラ氏が監督代行を務めたものの、マラッカ・ユナイテッドに0-3、サバに0~4、そして先週末のPJシティ戦では0-1と1点も取れずに3連敗するなど監督「休養」の効果は全く出ていませんでした。
 第10節を終えて勝点1のUTIMを残り12試合で降格圏から脱出させることが現場復帰したベルンハルト監督の使命となりますが、経営陣からはリーグ戦での結果だけでなく、ベルンハルト監督の練習方法や戦術が選手に合っていないという理由も突きつけられての「休養」だったことを指摘されると、レズアン代行監督のもとで経営陣が求めるような練習方法を採用しても結果が出なかった点を指摘し、どんな練習方法を採用しても全員が満足できるわけではないと話しています。
 その上で、復帰後の練習ではレズアン代行監督と話し合い、別の練習方法を模索したいとベルンハルト監督は話しています。

降格圏のパハンにミャンマーU23のエースが加入か
 今季から就任したトーマス・ドゥーリー監督を開幕からわずか2試合で「休養」させたものの、第10節を終えてわずか1勝の勝点5で11位と迷走するスリ・パハンは、5月3日に開く今年2回目のトランスファーウィンドウ期間中に外国籍選手を中心に大幅なメンバー入れ替えが予想されています。
 そしてこの移籍期間中の新加入選手にミャンマーU23代表のストライカー、アウン・カウン・マンがほぼ確定していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 アウン・カウン選手は今季はミャンマーのエーヤワディー・ユナイテッドFCからタイ2部のコーンケン・ユナイテッドFCへ期限付き移籍しており、16試合で5ゴールを決めているということです。また2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズではミャンマーU23代表のエースとして5ゴールを挙げ、チームを銅メダルへと導いています。
 スリ・パハンからの正式発表はないものの、既にクアラルンプールに滞在中のアウン・カウン選手は自身のソーシャルメディアでスリ・パハンに加入することを明らかにしています。

ペナン州政府はペナンFCのトップ6入りを期待
 今季1部に昇格したばかりのペナンは第10節を終えて5勝4分1敗の勝点19で首位のJDTとは勝点差4の4位につけていますが、ペナン州のチョウ・コンヨウ州首相はこの好調さを維持して、最終的には上位6位以内に入ることを期待しているとブルナマに語っています。
 チョウ州首相は、新監督だけでなく新戦力の獲得も功を奏しているとして、この勢いや選手のやる気を維持するために州政府が勝利ボーナスとして1勝あたり1万リンギ(およそ26万6000円)をチームに提供していることも明らかにし、前半戦最終戦となる今週末のアウェイとなるトレンガヌ戦でも8試合連続負けなしの記録を維持できるよう熱いプレーを期待していると話しています。
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 州政府の監督下にある州サッカー協会(州FA)からMリーグクラブを独立させる民営化が進められる中、まだまだ州政府に依存しているクラブは多いようですが、ペナンも勝利ボーナスという形で州政府の支援を受けているということを州首相が明らかにしているという記事でした。