学習能力なし?-昨季に続きマラッカは給料未払いで勝点剥奪処分
Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドに対して未払い給料支払い期限を守らなかったとして、勝点3の剥奪(はくだつ)処分を公式サイト上で発表しています。
これまでマレーシアサッカー協会FAMからMFLのもとで独立組織として運営されることになったクラブライセンス交付を担当する第一審査機関FIBは、選手や監督、コーチらに対して分割で支払うことになっている未払い給料支払い期限が守られなかったとして、今回の処分を下しています。マラッカ・ユナイテッドは昨季2020年シーズンも未払い給料を理由に勝点3を剥奪される処分を受けており、2季連続の勝点剥奪処分となります。
マラッカ・ユナイテッドは今年1月分として支払われる未払い給料は1月31日までに支払ったものの、2月分についてはその期限を守らなかったということです。
未払い給料について同様の分割払いを行なっている2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドとケランタンについては、いずれも期限までの支払いが行われたということですが、MFLのライセンス担当部門はこの3クラブについて、残る未払い給料支払いが完了するまで監視を続けるということです。
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今季は5名中3名の外国籍選手を入れ替えるなど、新戦力補強に使える資金はあれど、未払い給料を支払う分がないという理解し難い運営を行うマラッカ・ユナイテッドですが、「プロ」のサッカークラブとしてのプライドはないということなのでしょう。
今季2人目の監督解任候補はサバFC監督か
マレーシアの通信社ブルナマは3月21日に予定されている1部スーパーリーグ第6節のサバ対トレンガヌ戦の結果次第で、サバのクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督が解任される可能性が高いと報じています。
サバのマルズキ・ナシル チームマネージャーは、ここまで0勝1分3敗と苦しむクルニアワン監督に対して既に厳しい警告を発したということです。
昨季2020年シーズンは1部スーパーリーグで2勝3分6敗(昨季は全11試合)で10位となんとか降格を免れたサバは、今季開幕戦こそマラッカ・ユナイテッドと1-1で引き分けたものの、その後はクダ・ダルル・アマンに0-2、PJシティに0-1、そしてスリ・パハンに1-2と連敗を重ね、第4節終了時点ではリーグ順位は11位となっていますが、それも12位で勝点1で並ぶUITMとは得失差によるものです。
「経営陣はチームの状況およびクルニアワン監督からの報告を精査し、最終的な結論を出す前にクルニアワン監督に対する評価を行う予定である。サポーターはチームの現状についてパニックにならないように求めたい。」とマルズキ チームマネージャーは話しています。
なおサバの新外国籍選手4名がチームに合流したのは第3節からで、それまでは昨季から残留したDFパク・タエスーが唯一の外国籍選手でした。
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現在は「休養」中ながら、おそらくこのまま解任されるであろうスリ・パハンのトーマス・ドゥリー監督に続き、クルニアワン監督が今季解任第2号となる可能性が出てきました。しかし、上でも書いた通り、開幕時に外国籍選手が全員揃わず、しかも第3節から合流とは言え、いきなり全員が最初から機能できるはずもない中、経営側の失態とも言えそうなこの事態には何ら言及がなく、全てのクルニアワン監督の責任とするのもサバのサポーターには納得できないのではないでしょうか。
クルニアワン監督は昨季終了時点で成績不振のため一旦は契約が打ち切られながら、経営陣がその決定を翻して今季も監督となった経緯もあります。これは昨季、やはりドラー・サレー前監督に失格の烙印を押し、チームマネージャーに「降格」させながら、2試合でドゥリー監督を「休養させ」、暫定監督にドラー前監督を据えたスリ・パハン同様、クラブの運営を行う経営陣の責任問題でもあると思うのですが、マレーシアではそうは見られないようです。
エアアジアCEOは次期MFL会長就任に意欲
先日再選されたマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長はこれまで兼任していたマレーシアンフットボールリーグMFLの会長を6月までに辞任すると発表しましたが、その後任にはマレーシアが誇る格安航空会社エアアジアの最高経営責任者CEOトニー・フェルナンデス氏の名前が上がっています。
これについてトニー氏はマレーシアサッカー界が自分を受け入れてくれるかどうかが定かではないと、マレーシアの通信社ブルナマに語っています。
2011年の買収以来、英国2部リーグのクイーンズ・パーク・レンジャーズQPRのオーナーでもあるトニー氏は、どんなことにも意欲的に取り組み、自分の責任を全うする覚悟もあると話す一方で、自身のイメージでもある「航空業界関係者」が、退任するハミディンMFL会長の後継者として適任と受け入れられるかどうかは国内サッカー界の判断に任せたいと述べています。
「MFL(の理事ら)が自分をそのトップとして求めているかどうかは定かではないが、サッカー界が自分を受け入れてくれれば、全身全霊を傾けてその仕事に取り組むつもりだ。」と話すトニー氏は、新型コロナ禍で苦境下のMリーグの商業価値を高め、収入を増加させるような新規スポンサーを惹きつける方針を打ち出せる人物と見られています。
しかしトニー氏は就任前には何も約束はできないと話す一方で、「サッカーには金が必要で、サポーター試合を見るために相応の額を支払う用意がある。マレーシアのサポーターは、質の高いサッカーを見るためには、今以上の金銭的な負担を負う必要があるという現実を理解するべきである。」と話し、自分なりの改革案があることを仄めかしたということです。