MFL3部の選手は政府チャーター機で自国民退避をアシスト
マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグのムラワティFCには宮崎崚平選手が所属していますが、このムラワティFCのアフィフ・ナジミ・ムハマド・イズワンがマレーシア政府が用意したチャーター機を操縦して、マレーシア国民の退避に関わった際の話を英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が取り上げています。
29歳のアフィフ選手は元フットサルのマレーシア代表という経歴を持つサッカー選手であると同時に、マレーシアの航空会社エアアジア社のパイロットでもあり、3月21日にイランのテヘランからマレーシア人46人、シンガポール人8人、インドネシア人1人の合計55人を退避させるための政府チャーター機のパイロットを務めました。
これまでで最も思い出深いフライトだったと話すアフィフ選手によれば、3人の機長と2人の副機長全員は感染予防のため頭から足の先まで防護服で完全に覆われ、55人の乗客は機内に入る前に一人一人検査された上、機内でも乗務員、医療チーム、乗客はそれぞれ別の区域に搭乗したそうです。
この55人の中から新型コロナウィルスの陽性患者は出なかったということですが、アフィフ選手は14日間の自宅待機を経て、前ヌグリスンビランFA監督のマット・ザン・マット・アリス監督の元、現在は自宅でトレーニングを再開しているということです。
(写真の左手前がアフィフ選手-写真はスムアナニャボラのFacebookより拝借)
マレーシアは27年AFC選手権開催地に立候補の予定なし
アジアサッカー連盟AFCは、2027年開催予定のAFC選手権アジアカップの開催地立候補の受付期間を6月30日まで延長したことはこのブログでも紹介しましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこの延長を利用して開催地立候補を検討することはなさそうなことを英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、「アジアカップのような大規模な大会には政府の協力が必要だが、現在をそういったことを検討するのに適した時期ではない。」と話し、現在の新型コロナウィルス感染拡大が広がっている状況下では、マレーシアがアジアカップ開催に立候補することはないだろうとしています。
なお現時点では、サウジアラビアが開催国として立候補としている唯一の国ですが、この記事の中では、AFCが開催地立候補の受付を延長したことを受けて、インドが立候補を検討しているとも伝えています。。
また2034年のFIFAワールドカップ開催地としてタイ、インドネシア、シンガポール、ベトナムと合同で立候補する計画についても、先月予定されていた会合が延期になったことから、こちらについても一時保留とすることも併せて発表されています。
(筆者注:AFCの公式サイトの表記はAsian Cupですが、日本のサッカー関連メディアの多くが「アジアカップ」という表記を使っているので、日本語のこのブログでもこちらを採用します。)
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マレーシアは2007年にタイ、ベトナム、インドネシアとともにアジアカップを共催した経験があります。このときはイラン、ウズベキスタン、中国と同組となったグループステージでは0勝3敗の最下位となり、共催した他の3カ国の中でグループステージを突破したのはベトナムだけでした。なお、マレーシア代表がアジアカップ本戦に出場したのはこの2007年が最後で、その前の出場は1980年、1976年の2回となっています。
UAEが1試合も行わずに監督を解任
イギリスの通信社ロイターは、アラブ首長国連邦サッカー協会がイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監督を一度も試合をすることなく解任したことを伝えています。
アラブ首長国連邦UAEはFIFAワールドカップ2022年アジア二次予選ではマレーシアと同じグループGに属しており、これまで4試合を終了して2勝2敗のグループ4位につけています。アジア二次予選開始時に監督を務めていたオランダ人のベルト・ファン・マルワイク氏は、予選でマレーシアとインドネシアに連勝しましたが、タイとベトナム相手に連敗を喫し、さらにその後に開催されたガルフカップでもイラク戦、カタール戦と連敗したことから昨年2019年12月4日に解任されています。昨年12月22日にファン・マルワイク前監督に代わって就任したのがセルビア人のヨヴァノヴィッチ監督でした。
キプロスの国内リーグでAPOELニコシアを4度優勝させ、2011/12年シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝進出を果たした実績を持つヨヴァノヴィッチ監督は、UAEサッカー協会と6ヶ月契約を結んでいましたが、先日のこのブログでも伝えたように6月中のFIFA主催の試合はすべて延期となったため、契約満了を待たず、UAEを率いて1度も試合に臨むことなく解任されています。