1月18日のニュース:かつての同僚がSACで対戦、マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る

かつての同僚がSACで対戦
 本日1月18日から2日間の予定でスランゴール州シャーアラムスタジアムで開催されるスランゴールアジアチャレンジSACは、主催するスランゴールFCと東南アジアの3クラブが参加する大会です。
 参加クラブのうちの一つであるプルシブ・バンドン(インドネシア)の監督は、かつてマレーシアでも複数のクラブで監督の経験があるロバート・アルバーツ氏です。アルバーツ氏は1990年代に監督を務めたクダFAでリーグ優勝とマレーシアカップ優勝を経験している他、2000年代と2010年代にはサラワクFAでも監督を務め2部リーグで優勝、この他、インドネシアやシンガポールでもリーグ優勝経験があり、東南アジアサッカー界のカリスマ監督の一人です。
 またアルバーツ氏は、マレーシアサッカー協会FAMのもとで2005年から2008年までテクニカルダイレクターTDやU19代表の監督を務めた経験もあります。そしてそのTD時代に、同じFAMでU23代表の監督をしていたのが今回の大会のホストであるスランゴールFCを率いるサティアナタン・バスカラン監督です。長年の知り合いであるというこの二人はかつてアーセナルがマレーシアで開催するサッカーアカデミーで一緒に指導していた経験もあります。
 今回のプルシブ・バンドンは、経験の浅い若手選手や新外国籍選手候補など、この大会で契約獲得を目指す選手で構成されており、アルバーツ監督が「サティアナタン監督は戦略家だが、ウチのチームの情報はほとんど持っていないだろう」と軽くジャブを放つと、サティアナタン監督は「未契約選手が多いチームは、(契約獲得のために)コーチに好印象を持ってもらおうと全員が全力でプレーしてくるので厄介だ」と切り返し、大会前の公式記者会見でも火花を散らしています。

マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る
 前述したように、マレーシアとインドネシアで指導経験が豊富なアルバーツ氏は、英字紙スター電子版で両国のサッカー界の違いを述べています。
 マレーシア人自身が「設備や施設は一流国並み、精神構造は三流国並み」という言い方を自虐的にすることがありますが、アルバーツ氏はサッカーにもこれが当てはまると指摘し、マレーシアのサッカー組織は一流だが、文化としてのサッカーは貧弱であるとし、以下のようなコメントを出しています。
 「マレーシアではいつからシーズンが始まるか分かっているので、それに合わせて各クラブはプレシーズンの練習を開始するが、インドネシアではいつ開幕かがわからないことがよくある」
 「プロサッカーでは目標を設定し、そこへ向かって努力するためにはそういったこと(スケジュールの確定)が欠かせないので、マレーシアの方が明らかに進んでいる」
 「組織という点では、インドネシアはマレーシアが現在、到達しているレベルを目指している状況である。しかしそのレベルまで達することができれば、サッカーへの情熱、豊かな才能といったことを考えると、インドネシアは東南アジアのサッカーを席巻できる可能性がある」
 「特にサッカーへの情熱という点では、インドネシアはマレーシアを凌駕している。どんな小さな街にでもスタジアムがあり、大半のスタジアムに多くのファンが常に詰め掛け、贔屓(ひいき)のクラブに対して情熱的なサポーターが多い。また、国内リーグという点では、インドネシアでは既にピラミッドが出来上がっており、多くのクラブがトップを目指して激しく競争している」
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 アルバーツ氏が述べているように、国内のクラブ同士の競争の熾烈さ、サポーターの熱狂度合いでは、インドネシアは既にマレーシアを上回っているように感じます。またインドネシアは人口が2億7000万人を超える一方で、マレーシアの人口は3300万人弱、他のアジアの国々と比べても、国の規模そのものが違っており、タレント持った選手が育つ確率が同じだとすれば、東南アジアどころかアジアのサッカー強国になる可能性するあります。