12月28日のニュース:スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得 、スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる

スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得
 スランゴール州サッカー協会FASは、モクター・ダハリアカデミーAMDの1期生28名と契約したことが明らかになりました。
 サッカー専門サイトのスムアニャ・ボラは、国家サッカー選手養成プログラムNFDPのサフィルル・アズリ・アブ・バカル元CEOが、NFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーであるAMDの第1期卒業生34名全員がFASからオファーを受け、その内、28名がFASと契約し、残りの6名はジョホール・ダルル・タジムJDTと契約したことを明らかにしたと報じています。
 FASと契約したAMD卒業生は、FASのプレジデントカップチーム(21歳以下)やユースカップチーム(19歳以下)に所属する他、FASが統括するマレーシアフットボールリーグMFL1部に所属するスランゴールFCのBチームで、MFL2部に所属するスランゴールFC IIでプレーする可能性もあります。
 その一方でスムアニャ・ボラでは、このAMD出身者の獲得がFASのプレジデントカップチームやユースカップチームでプレーした選手たち、さらにはスランゴールFCに「吸収合併」されてしまったPKNS FCのプレジデントカップチームやユースカップチームの選手たちの今後にどのような影響を与えるのか、と問題提起もしています。
 特に選手育成に定評のあったPKNS FCは今季も、プレジデントカップで優勝ユースカップでは準優勝と結果を出しているだけに、その選手たちがどのようになるのかは気になります。またスランゴールFCと名称を変更したスランゴールFAもプレジデントカップとユースカップでは準決勝に進出しており。AMD出身者の加入の影響はこちらにも出るでしょう。同じようにBチームを持つジョホール・ダルル・タジムJDTやトレンガヌFC(TFC)は、JDT IIIやTFC IVといった形でプレジデントカップやユースカップに出場しているので、スランゴールFC IIIやスランゴールFC IVが編成されることになると思いますが、元スランゴールFAのプレジデントカップチームの登録選手30名、ユースカップチームの登録選手30名、元PKNS FCの選手それぞれ30名ずる、そして今回獲得したAMD卒業生28名が、スランゴールFC IIIとスランゴールFC IVの30名ずつの登録枠を競い合うことになります。
 しかしそうなった場合、U17代表やU19代表などで国外大会の経験も豊富なAMD卒業生は明らかに有利な立場にあり、今季スランゴールFAやPKNS FCでプレーし、結果を出した若手の多くが他チームへの移籍、あるいは退団を迫られることになります。
 スムアニャ・ボラの記事は、今後もAMD出身者を獲得することで、FASは自らが育てた有望選手の才能の芽を摘むことにならないかを危惧していると結んでいます。

スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる
 上記のような記事が出る一方で、マレー語紙シナールハリアン電子版では、FASが自前のアカデミーを数年のうちに国内で最高のアカデミーとする抱負を述べていると報じています。
 FASのミハエル・フェイヒテンベイナーTD(テクニカルダイレクター)はシナールハリアンとのインタビューで、アカデミーでの選手の指導は短期間で結果が出るものではないとする一方で、新たに導入される選手の指導体系によって、数年後には変化の兆しが見えるようになるだろうと述べています。
 またスランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIの監督も務めるフェイヒテンベイナーTDは、スランゴールFC IIは選手育成に特化し、若い選手により多くの出場機会を与えたいとしています。
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 当初はスランゴールFC IIは外国籍選手を獲得せず、若手選手に出場機会を与えるとされていましたが、MFL2部から降格することになれば、高いレベルでの試合に出場する機会が減るとして、外国籍選手獲得可能性も示唆されています。クラブの目的が選手の育成なのか、MFL2部残留なのか、スランゴールFC IIが迷走しないか気になります。