10月3日のニュース:PKNS FCは来季はスランゴールFAのBチーム化決定か、マレーシアカップ決勝はマレーシア人審判が担当、FAMが今季の審判に対する苦情申し立てと処分について発表

PKNS FCは来季はスランゴールFAのBチーム化決定か
 マレーシアのスポーツチャンネルアストロのポータルサイトでは、PKNS FCが来季2020年から同じスランゴール州を拠点とするスランゴールFAのBチームとなる可能性が高くなったと報じています。
 9月28日に開催されたスランゴールFAを運営するスランゴール州サッカー協会FASの臨時総会に参加した47名が、PKNS FCのスランゴールFA Bチーム化案に満場一致で賛成したことを受け、FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、今回が第一段階とし、PKNS FC側からも同意を得た上で、マレーシアフットボールリーグMFLへこの件を正式に報告することになるだろうと語っています。なお、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定すれば、同一クラブのAチームとBチームは同一リーグではプレーできないというMFLの規定により、今季はMFL1部9位のPKNS FCは、来季はMFL2部に降格してプレーすることになります。 
 このブログでも何度か紹介しましたが、PKNS FCはスランゴール州政府の機関であるスランゴール州開発公社PKNSを母体とするクラブで、その運営資金はスランゴール州政府から出ています。またスランゴール州サッカー協会FASにもやはりスランゴール州政府から運営資金が出されており、資金力に余裕のあるジョホール・ダルル・タクジムJDTのようなクラブと対等に戦うためにはこれら複数クラブに分散している運営資金を一本化することが必要だという考えに基づいたのが、PKNS FCのBチーム化案です。
 その一方で、やはりこのブログでも数日前に取り上げたU19チームを対象としたユースカップでは今季準優勝、そしてU21チームを対象としたプレジデントカップでは今季優勝するなど、伝統的に選手の育成に定評のあるPKNS FCはこの件についてはコメントを出しておらず、すんなりとBチーム化を受け入れるのかどうかに注目が集まります。

マレーシアカップ決勝はマレーシア人審判が担当
 マレーシアのカップ戦の一つFAカップの今季2019年決勝戦は、日本人の岡部拓人主審と八木あかね、野村修両副審が担当しましたが、11月2日に予定されているマレーシアカップの決勝戦はマレーシア人審判が担当することを、マレーシアサッカー協会FAMの審判委員会のモハマド・ダリ・ワヒド委員長が明言したとマレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 今年7月27日に行われたクダFA対ペラTBGのFAカップ決勝戦は、マレーシアサッカー史上初となる外国人審判が担当したカップ戦決勝でした。試合を担当した日本人審判団への高評価がメディアなどに散見した一方で、なぜ国内の試合をマレーシア人審判が担当しないのかという批判もありました。なお、この外国人審判採用については、昨季2018年のマレーシアカップ決勝でマレーシア人のスレシュ・ジャヤラマン主審が試合を十分にコントロールできず、退場者を両チームから出すなどの状況についてFAMへの非難が集中したことも一因です。
 ワヒド委員長は、今回の決定は今季FAカップでの日本人審判団とリーグ戦やカップ戦でのマレーシア人審判と比較検討した上での結論だとした上で、現在開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選件2023年アジアサッカー連盟AFC選手権予選の試合でマレーシア人審判が担当している事実を挙げ、一部で言われているほどマレーシア人審判の技量は低くないとも述べています。また既に候補者はリストアップされているようで、ワヒド委員長は、マレーシアカップ 準決勝での出来を見て、決勝戦担当の審判を発表するとしています。

FAMが今季の審判に対する苦情申し立てと処分について発表
 審判関連の話題が続きますが、FAMのワヒド審判委員会委員長は、今季2019年のマレーシアフットボールリーグMFL、FAカップ、そして現在進行中のマレーシアカップの試合での審判について、これまでにマッチコミッショナーから34件、審判アセッサーから21件、当該チームから13件の不満や苦情申し立てが出されていることを明らかにしています。
 FAMは全ての申し立てを精査した上で、警告や試合割り当て停止の他、審判の再教育を含めた処分などを課していると話す一方で、審判に対する全ての苦情申し立ては正規の方法でFAMに行うべきだとし、マスメディアやソーシャルメディア上で「審判のせいで負けた」と言った審判批判は行うべきでないと各クラブのスタッフやフロントに警告しています。
 ちなみに直近では、9月29日に行われたマレーシアカップ 準々決勝スランゴールFA対ペラTBG戦でも、スランゴールFAの2点目となったカイリル・ムヒミンの45分のゴールがオフサイドではないかと議論になりましたが、これについては、FAMの審判委員会で映像を参考に確認したところ、明確にオフサイドとの判断にはならなかったものの、アズマン・イスマイル副審の位置取りが悪かったとして、アズマン副審には試合割り当て停止処分となるだろうとワヒド委員長は述べています。