9月5日のニュース(2):速報 スマレの2ゴールなどでマレーシアはWC予選を白星発進!

 国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選がいよいよ開幕し、敵地ジャカルタに乗り込んだマレーシア代表は3-2でインドネシアを破り、初戦を白星で飾る幸先良いスタートを切りました。
 試合は、マレーシアフットボールリーグMFLのパハンFAでプレーするMFサディル・ラムダニからのスルーパスを受けたブラジル出身の帰化選手FWベト・ゴンサウヴェスが12分にゴールを決めインドネシアが先制しました。またも立ち上がりで失点したマレーシアでしたが、マレーシアの帰化選手のFWモハマドゥ・スマレ(パハンFA)が37分にゴールを決め追いつきました。しかしその直後39分にはまた38歳のベト選手がゴールを決め、前半はインドネシアが2-1とリードして終了しました。
 後半66分にはシャフィク・アーマド(JDT)が同点ゴールを決めて、試合を振り出しに戻します。その後は両チーム共一進一退を繰り返し、時計は90分を過ぎ、このまま引き分けかと思われましたが、長めに取られたアディショナルタイム6分に同じパハンFAでプレーするDFマシュー・デイヴィーズからのクロスをスマレ選手がインドネシアゴールに押し込んでマレーシアが3-2年、そのまま試合終了となりました。この試合のアジアサッカー連盟AFCのレポートはこちらです。

マレーシア代表のスターティングXI。先日のヨルダン代表戦からは、ダニアル・アミール(フェルダ・ユナイテッド)に代わってシャフィク・アーマド(JDT)がトップ下に入った以外は変更なしでした。またケガの回復状況が心配されたムハマドゥ・スマレ(パハンFA)はベンチスタート。

そのスマレ選手は、37分にMFハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)と交代で出場するといきなり同点ゴールを決めました。

66分に同点ゴールを決めたシャフィク・アーマド。ACLでJDTが鹿島を破った試合でもゴールを決めた大舞台に強い男。

 途中インドネシアファンがピッチに乱入し、試合が数分間中断するなど騒然とした雰囲気の中、マレーシアのタン・チェンホー監督は、21歳のMFシャマル・クティ・アバ、20歳のMFアキヤ・ラシド(いずれもJDT)を投入して攻め続け、敵地での勝点3を取りに行きました。

そして明らかにインドネシアの運動量が落ちた間隙を突き、アディショナルタイム6分にまたしてもスマレ選手がゴール!マレーシアは2004年12月以来となるゲロラ・ブン・カルノスタジアムでの勝利を挙げました。

マレーシア対インドネシアのダイジェスト映像(マレーシアのスポーツチャンネルASTROより_

9月5日のニュース:WC予選ホーム初戦のチケット販売日程発表、WC予選は地上波でも放映、元アメリカU17代表がマレーシア代表入りを希望

WC予選ホーム初戦のチケット販売日程発表
 マレーシア代表の国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選は、本日9月5日のアウェイのインドネシア戦から始まりますが、第二戦となるホームでのアラブ首長国連邦UAE戦のチケット販売日程が、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで発表になっています。
 9月10日(火)にブキ・ジャリル国立競技場で開催されるこの試合のチケットは、試合前日の9月9日の午後11時59分まではオンラインで販売され、グランドスタンドが50リンギ(約1270円)、オープンスタンドが30リンギ(730円)、子供は7リンギ(約180円)となっており、この他にグランドスタンド5.52リンギ(約140円)、オープンスタンド5.02リンギ(約130円)の発券手数料がかかります。また9月10日の試合当日午後2時からはブキ・ジャリル競技場のチケットカウンターでも販売され、こちらはグランドスタンドが60リンギ、オープンスタンドが40リンギ、子供料金はオンラインと同じ7リンギとなっています。
 FAMのホームページによると、当初はオンライン販売のみと告知されながら、試合当日に急遽カウンターでもチケットが販売された8月30日のヨルダン代表との国際親善試合では、12, 767枚売れたチケットのうち、5,082枚がカウンターでの購入であったことから、今回はオンラインとカウンター両方での販売となったことを説明しています。
 なお、UAE戦のオンラインチケットの購入はこちらから可能です。なお購入時にはパスポート番号の入力が求められ、試合中も身元確認のためのパスポートの提示が求めめられることがある、とありますが、私が観戦したヨルダン代表戦では入場時にパスポート提示を求められることはありませんでした。

WC予選は地上波でも放映
 上でも取り上げたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のホーム初戦となる9月10日のUAE戦を含めたマレーシア代表のホームゲーム4試合が、マレーシア国営放送RTMによって地上波でも生中継されることが、FAMのホームページで発表になっています。RTMが中継するのは、2019年9月10日のUAE戦、11月14日のタイ戦、11月19日のインドネシア戦、そして来年2022年3月31日のベトナム戦で、会場はいずれもブキ・ジャリル国立競技場です。
 これまでは、マレーシア国内の衛星放送チャンネルASTROがマレーシア代表のホームゲームを放映してきましたが、今回RTMが放映権を獲得したことで、ASTROと契約していないサッカーファンも代表チームの試合がライブ観戦できることから、人種、宗教に関わらず全てのサッカーファンがテレビの前で代表チームを応援して欲しいとFAMのダト・ハジ・ハミディン・ハジ・モハマド・アミン会長も語っています。
 またマレーシア政府の通信マルチメディア省のゴビンド・シン・デオ大臣も、これまで有料放送と契約していないサッカーファンからRTMによる地上波放送を求める声があったとして、FAMの協力により、そういったファンの声が今回の地上波放送実現につながったとしています。

元アメリカU17代表が代表入りを希望
 元アメリカU17代表のMFワン・クザイン・ワン・カマルがマレーシア代表入りを希望していると、英字紙スター電子版が報じています。
 アメリカのイリノイ州生まれながらマレーシア人の両親を持つ20歳のワン・クザイン選手は、アメリカのメジャーリーグサッカーMLSのスポーティング・カンザス・シティに所属し、2017年にはその下部組織に当たるユナイテッドサッカーリーグUSLのスウォープパーク・レンジャーズでデビューし、先発出場9試合を含めて13試合に出場、2018年途中にスポーティング・カンザスシティに昇格すると5月27日にMLS初出場を果たし、6月3日にはMLS初ゴールも挙げています。また、この年にはUSLの最優秀若手選手表彰候補四人のうちの一人にも選ばれるなど、アメリカ国内でも評価が高い選手です。
 FAMのハミディン会長は、ワン・クザイン選手自身がU23代表のオン・キムスイ監督に直接連絡して、マレーシア代表としてプレーしたい意思を伝えたことを明らかにしており、今年12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会に出場するU23代表候補の一人となる可能性を示唆しています。
 昨年の時点では、ワン・クザイン選手はアメリカとマレーシアのどちらの代表チームでプレーするかどうかを決めかねているという報道がありましたが、タレント揃いのU23代表にワン・クザイン選手が加われば、4大会ぶりの金メダルも夢ではないかも知れません。

9月2日から4日までのニュース:FAMとMFLがクラブが抱える未払い給料を支給、WC予選インドネシア戦関連四題

FAMとMFLがクラブが抱える未払い給料を支給
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、FAMとマレーシアフットボールリーグMFLが総額約246万リンギ(約6200万円)を給料未払い問題を抱えるMFLの6クラブに支給したことを報告しています。
 MFLの放映権料と対象となるMFL所属クラブから集めた供託金から支給された未払い給料受け取りの対象となったのは、MFL1部のマラッカ・ユナイテッド、フェルダ・ユナイテッド、クアラ・ルンプールFA、MFL2部のPDRM FC、ペナンFA、サラワクFAの6クラブです。各クラブのマレーシア人選手はFAMの、外国人選手は国際サッカー連盟FIFAの選手ステータス(地位)委員会によって未払い給料が確定されたケースを対象としており、今年3月にやはりFAMとMFLによって支給された約252万リンギ(約6360万円)に続く、今年二度目の支給となっています。
 先日紹介した経済管理プログラムECPが来年からMFLに導入されますが、このプログラムに関する説明会が各州サッカー協会やクラブを対象に既に行われているようですので、

WC予選インドネシア戦関連
 いよいよ9月5日(木)に迫った国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の開幕戦となるアウェイの対インドネシア戦を前に、マレーシアの国内メディアではこれまでの対戦やその他の情報をこぞって取り上げていますので、ご紹介します。

その1:相性の悪いスタジアム
 今回の試合会場は、1962年のアジア競技大会のために建設されたゲロラ・ブン・カルノスタジアム(通称GBKスタジアム)。開場当時は10万人以上を収容していたようですが、現在は約7万人収容のスタジアムです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、このGBKスタジアムでのマレーシアとインドネシアの対戦は、その1962年を皮切りに(筆者注:マレーシアの成立は1963年9月16日なので、この試合は当時のマラヤ連邦としての対戦と思われます。)過去18回。そしてその対戦成績はマレーシアの4勝2分12敗と、マレーシアにとっては相性の悪いスタジアムです。ちなみに、このGBKスタジアムでのマレーシアの勝利は2004年のアセアンサッカー連盟AFF選手権準決勝での2-1での勝利が最後です。(ちなみにこの年のAFF選手権では、マレーシアもホームでインドネシアに4-1で敗れ、準決勝で敗退しています。)
 この記事の中で、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、攻撃的なサッカーを展開したいと述べ、全員守備のような布陣では臨まないと述べています。

その2:元MFL選手によるマレーシア代表分析
 この試合に出場するインドネシア代表候補にも選ばれているMFアンディック・ヴェルマンサ(マドゥラ・ユナイテッド)は、マレーシアフットボールリーグMFL1部のスランゴールFAで2013年から2017年まで、昨年2018年はクダFAで計6年間に渡りプレーしていました。
 ニューストレイトタイムズ電子版は、このアンディック選手のコメントを掲載しています。それによると、アンディック選手が警戒しているのは、マレーシアのカウンターアタックとのことで、中でも両翼の上がりを警戒したいとしています。「最近のマレーシアのプレースタイルはとても独特で、守備ではできるだけ多くの相手選手を自陣に集めておいて、そこからボールを奪うと一気にカウンターを仕掛けてくるので、それに対処するような戦術を取る必要がある。」とアンディック選手は述べています。
 先日のヨルダン戦でも、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズといった辺りが積極的に攻撃参加をしていましたので、その分析は間違えていなそうですが、課題はカウンターからボールを前線に運んだ後に時間がかかるケースが多いこと。そこから有効なパスを出せぬ内に、相手の選手も戻ってきて数的有利を活かしきれないシーンもヨルダン戦では何度か見られましたので、インドネシア戦までにどのくらい改善されているかが楽しみです。

その3:外国出身の帰化選手
 FIFAによる制裁でワールドカップ2018年大会への予選が許されなかったインドネシアにとっては、2大会ぶりとなるアジア予選出場ですが、今回は4名の帰化選手が代表メンバーに選出されています。
 その4名とはDFヴィクター・イグボネフォ(ナイジェリア出身、タイリーグPTTラヨーンFC)、MFステファノ・リリパリ(オランダ出身、バリ・ユナイテッド)、FWベト・ゴンサウヴェス(ブラジル出身、マデュラ・ユナイテッド)、FWオサス・サハ(ナイジェリア出身、ティラ・プルシカボ)ですが、マレーシア代表のタン監督は、MFLでの既に(自分たちより身体の大きな)外国人選手との対戦経験があるので、インドネシア代表の帰化選手については心配していないと、英字紙スターが伝えています。さらにタン監督は、過去6試合で完封勝ちは1試合しかないことから、試合開始直後の時間帯の失点に注意したいとも述べています。

その4:セキュリティー
 インドネシアの人口2億6000万人に対してマレーシアは3200万人と、国の規模には大きな差がありますが、それでもこの両国には強力なライバル関係があります。ともにマレー系住民が大多数を占め、緩やかな関係を持つ両国(当時はそれぞれ英領マラヤと蘭領東インド)が、1824年にイギリスとオランダの間で締結された英蘭協約により、マラッカ海峡を境とする二つの国に分かれ、その後は政治の分野からスポーツの分野へとライバル関係を展開していきました。
 そんなことから、今回、マレーシアとインドネシアがワールドカップ予選同組となったことで、マレーシア側からは、アウェイでの試合での選手の安全について不安の声が上がっています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、不測の時代に備えて、マレーシアサッカー協会FAMとインドネシアサッカー協会PBSIは、地元警察を踏まえた話し合いを既に複数回行っており、インドネシア政府もマレーシアチームとそのサポーターの安全を保障することことを約束しています。
 2010年のAFF選手権や2011年の東南アジア競技大会の際には、マレーシア代表チームは、試合後にバラクーダ装甲兵員輸送車でホテルまで送られた経緯があり、今回もホテル近くに同じバラクーダ装甲兵員輸送車が配備されていると報じています。(写真下はバラクーダ装甲兵員輸送車)