ケランタンFAの会長選はビジネスマン対政治家の争い
給料未払いによる勝点の剥奪(はくだつ)や、マレーシアフットボールリーグMFLでは予算不足により外国人選手なしでの戦いを強いられるなど、様々な問題を抱えるケランタンFAを統括するケランタン州サッカー協会のビビ・ラムジャニ・イリアス・カーン会長が会長辞職を発表したのが先月半ば。その後は新会長の候補者選びが始まっていましたが、7月6日に実施される会長選挙の有力候補者としてビジネスマンのダト・スリ・アムリ・アイマン・アブドル・アジズ氏、マレーシアの現首相マハティール・モハマド氏が率いる与党マレーシア統一プリブミ党のタン・スリ・アブドル・ラシド・アブドル・ラーマン副党首、そして与党構成党である国民信託党のワン・アブドル・ラヒム・ワン・アブドラ氏の争いになるだろうとマレー語紙ウトゥサン・マレーシアの電子版が報じています。
有名なバティック(ろうけつ染)生地生産で財を成したビビ元会長は、2017年9月に就任し国内では唯一の女性州サッカー協会会長となりました。しかし2012年にはリーグ優勝、マレーシアFAカップ優勝、マレーシアカップ優勝の「トレブル(三冠)」を達成したこともあるケランタンFAは、2018年には5勝3分14敗の成績でマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグで11位に終わり2部プレミアリーグに降格、2019年はMFL2部プレミアリーグでも、11チーム中10位に低迷しています。また上記の給料未払い問題などで、グラウンド内外からその手腕に批判が集まっていました。
マレーシア各州のサッカー協会の会長職には王族あるいは政治家が就任するケースが非常に多く、例えばスランゴール州サッカー協会はスランゴール州皇太子、パハン州サッカー協会はパハン州知事が就任しています。また近年では今回のケランタンFAのビビ女史や、今シーズン途中で出場停止となったプルリスFAのダト・アーマド・アミザル・シャイフィット・ラファイエ氏などビジネスマン会長による運営の失敗例もあるため、ケランタン州サッカー協会の構成メンバーがどのような判断を下すのかに注目が集まっています。
シンガポールでMFLなどの中継開始
MFLでは現在、 4名のシンガポール出身の選手がプレーしていますが、彼らの出場する試合を中心に、今年は約30試合ほどのMFLリーグ戦、マレーシアFAカップ決勝、そして8月から始まるマレーシアカップの試合がシンガポールでも見られるようになると、Goal.comのマレーシア版が伝えています。
ジョホール・ダルル・タクジムJDTの主将MFハリス・ハルン、パハンFAのDFサフワン・バハルディン、クダFAのDFシャキル・ハムザ、そしてフェルダ・ユナイテッドのFWカイルル・アムリ・カマルの4選手に加えて、クダFAのアイディル・シャリン・サハック監督もシンガポール出身ですが、彼らの勇姿を中継するのは、シンガポールの通信会社、シンガポール・テレコム(通称シンテル)が運営する有料チャンネル、シンテルTVです。ただし、このシンテルTVがMFLに放送権をどのくらい払っているかについては、情報を開示していません。
中継される30試合の内訳は、MFL1部スーパーリーグの試合とマレーシアFAカップ決勝(クダFAが決勝に進出しています)が12試合、残りの18試合がマレーシアカップの試合となっています。