1月30日のニュース:裏契約書問題、FAMは助成金交付期限を延長か。

FAMは裏契約書問題撲滅を目指しています。
マレーシアサッカー協会FAMは、「裏契約書」問題を解消しようとしています。「裏契約書」とは、FAMに提出される正規の契約書とは別に、正規の契約書に記載された給料より高額の給料が記載されたもう一枚の契約書で、マレーシアのプロサッカー界には広く蔓延しているとされています。選手側にとっては税金が軽減できるメリット、チーム側にはEPF(従業員積立基金、雇用者が給料の13%、労働者がが11%を強制的にこの基金に積み上げていく公的年金に当たる制度)に支払う費用を軽減できるメリットがあります。FAMが規定する規則には抵触するもののの、「裏契約書」自体は法的には有効とされていますが、結果的には選手側の脱税、クラブ側はEPF回避につながる違法行為でもあります。それでも「裏契約書」は選手とクラブの間で密かに結ばれるものなので公になることはないはずなのですが、問題が発生するのは、ここでも何度か取り上げた給料未払い問題の際になります。
 2018年11月には、FAMが「裏契約書」を正規の契約書として認めないことを公式に発表しました。FAM自体はこれまでも「裏契約書」の有効性を認めていませんでしたが、スポール仲裁裁判所CASに持ち込まれた場合には、その有効性が認められていました。その後、国際サッカー連盟FIFAとの話し合いの結果、マレーシアでの「裏契約書」の有効性が否定されたことから、このような発表になりました。FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドといった選手たちも脱税で摘発されていることを例に挙げ、マレーシアプロサッカー選手協会PFAMにも選手への教育を促すことを求めています。
 この「裏契約書」にサインするのは大半がマレーシア人選手で、外国人選手の方が違法行為と理解して加担しない、とされているのはなんとも皮肉です。

FAMは助成金交付期限を延長か。
FAMのラマリンガム事務局長は、プルリスFAの給料未払い問題は3月までに解消されるべきと発言しました。これまでFAMは、給料未払い問題が2月中旬までに解決されないクラブに対しては、2019年分のFAMからの助成金は交付しないとしていましたので、この発言から助成金交付期限が延長されたのではと憶測が飛び交っています。現時点では、MFLの8チームが給料未払い問題により助成金交付が保留されているとしていますが、その一つであるプレミアリーグのプルリスFAは、交付される助成金を使って未払い給料を完済するとしています。なお、FAMからの助成金は、1部スーパーリーグの各チームには300万リンギ(約8100万円)、2部プレミアリーグの各チームには100万リンギ(約2700万円)が交付されます。