今日のマレーシアメディアは電子版、活字版とも昨日のインドネシア戦勝利一色ですが、この試合に関連する記事を拾ってみました。
チケット読み取り機の障害で多数のファンがキックオフを見逃す
マレーシアサッカー協会FAMは今季より、代表戦のチケット販売をそれまでの試合会場の窓口だけでなく、オンラインでも行うようになりました。これに伴い、入場口ではチケット上のバーコードを読み取り機に表示することで入場が可能になりました。しかし 英字紙ニューストレイトタイムズNST電子版では、この日の試合会場となったブキ・ジャリル国立競技場の入場口に設置されたチケット読み取り機の不具合で多くのファンが試合開始後も入場できずにいたことを報じています。
こういったファンの中には、係員に怒りをぶつける者、また柵を乗り越えて入場しようとした者もいたようで、現場にいたNST記者が係員に状況を問うと、「システム上の問題」との答えが返ってきただけで、それ以上の回答は得られなかったようです。
またスタジアム内では、座席に不満を抱えるファンをなだめる姿も見られたとも報じています。チケットのオンライン販売と同時に、チケットには座席番号も記載されるようになりました。日本では当たり前のシステムですが、こちらでは浸透しておらず、スタジアムでは皆、早い者勝ちで座席を確保します。このため、自分のチケットに記載された番号の座席に他人が座っていることもあり、それが争いに発展してしまうこともあるようです。(筆者も経験済みです。)このため、FAMではFacebookで、座席番号に従うことを促す下記のような注意も行っています。(「他のサポーターの座席に座らず、自分のチケットの座席番号に従いましょう。」と書かれています。)
警察は41名のサポーターを拘束
マラッカ海峡を挟んて向かい合うマレーシアとインドネシアは、政治、経済、文化で橋梁苦な結びつきがある反面、強烈なライバル関係にもありますが、それはサッカーにも色濃く反映されています。ワールドカップアジア二次予選の初戦となった9月5日のジャカルタでのインドネシア戦では、1万人を超える保安要員を配置しながら、スタジアムの訪れたマレーシアサポーターに対してインドネシアサポーターが投石を行い、試合開始後もファンの乱入で試合が一時中断するなどし、最終的にはインドネシアサッカー協会PSSIはFIFAから罰金処分を受けました。
同様の状況に備えて、マレーシア警察は1,400名を超える警察官を配置して対応しましたが、英字紙マレーメイル電子版では、試合中には発煙筒が投げこまれ、試合後にはサポーター同士の衝突は起こってしまったことを報じています。
インドネシアサポーター6,000人を含む85,000人を超える観衆が詰めかけた試合では、サファウィ・ラシドが先制ゴールを決めた直後に発煙筒がピッチに投げ込まれ、試合終了後には、こんどはマレーシアサポーターが陣取るエリアに向かって発煙筒が投げ込まれたようです。また試合後にはマレーシアサポーターとインドネシアサポーターがスタジアムの外で衝突し、マレーシア警察の暴動鎮圧部隊が動員された他、一部のインドネシアサポーターは試合終了後もスタジアム内にとどまるように命じられたと報じています。またマレーシア人サポーター24名、インドネシアサポーター17名が警察に拘束されたものの、その後は全員が釈放されています。
(発煙筒がピッチに投げ込まれる-マレーシアの通信社ベルナマの記事より)