2023マレーシアスーパーリーグ第22節結果とハイライト映像(2)-7失点大敗のクランタンは今季総失点もシーズン新記録の102失点

W杯アジア2次予選の裏で、未消化となっていたマレーシアスーパーリーグ第22節の1試合が行われ、5位のサバFCが最下位14位のクランタンFCに大勝して4位に浮上しています。
(試合のハイライト映像はマレーシアンスーパーリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年11月21日@UITMスタジアム(スランゴール州シャー・アラム)
観衆: 235人
クランタンFC 0-7 サバFC
⚽️ サバ:ジャフリ・フィルダウス・チュウ(25分PK)、ファルハン・ロスラン(29分)リザル・ガザリ(39分)、イルファン・ファザイル(57分)、テルモ・カスタネイラ(68分)、ラモン・マチャド(70分)、S・クマーラン(89分)
🟨クランタン(0)
🟨サバ(0)
MOM:リザル・ガザリ(サバFC)

FIFA国際マッチカレンダー期間に行われたこの試合。サバはエースのFWダレン・ロック、MFスチュアート・ウィルキン、DFドミニク・タンの3人がW杯予選を戦っている代表に招集されており不在です。主力3人を欠くサバにとっては不利な試合かと思われましたが、終わってみれば今季チーム最多の7ゴールを挙げて大勝し、順位も1つ上げて4位となっています。

この試合は9月29日に予定されていたクランタンのホームゲームでしたが、ましたが、当日の豪雨でピッチの状態が悪くなったことから延期となっていました。新たに発表された11月20日は、今度はホームスタジアムのスルタン・ムハマド4世スタジアムが他のイベントで使用できず、結局、この試合は本拠地のクランタン州コタ・バルから450km以上離れた、スランゴール州シャー・アラムのUITMスタジアムで行われています。

試合は25分にテルモ・カスタンヘイラがクランタンのペナルティエリア内で倒されていたPKをジャフリ・フィルダウス・チュウが決めてサバが先制すると、前半だけで3ゴールを挙げたサバがリードします。後半に入ってもイルファン・ファザイルのロングシュートなどで4点を追加したサバが、異なる7選手がゴールを挙げ、7-0で大勝しています。この勝利で勝点45としたサバはスリ・パハンに代わって4位に浮上、一方のクランタンは勝点8のまま最下位に沈んでいます。

なおこの試合で7失点大敗のクランタンは今季リーグ戦での総失点が102(カップ戦も合わせると132)ととなり、更新中のシーズン通算最多失点記録を更新しています。これまでの記録はPDRM FCが2009年に記録した75点(26試合)ですが、すでにこの記録を大幅に更新しているクランタンは今季まだ3試合を残しています。相手はリーグ3位のクダ・ダルル・アマンFCや7位のPDRM FC、そして同じクランタン州に本拠地を持つ12位のクランタン・ユナイテッドとのクランタンダービーも残っており、記録はまだまだ更新されそうです。

給料未払いなどにより外国籍選手が1人もいないクランタンは、マレーシア人選手の流出も続きましたが、トランスファーウィンドウでは給料未払い問題未解決を理由に新規選手獲得を禁じられています。その結果、例えばこの日の試合の出場登録選手20名中、キャプテンで25歳のDFガファール・アブドル・ラーマンと控えで30歳のDFアリプ・アミルディン以外の18名は全員がU23の選手で、中にはU20やU18の選手もそれぞれ数名含まれています。本来ならU23リーグのMFLカップに出場するべき選手が、トップチームの選手不足を補うために駆り出されている格好で、リーグ上位のサバと対峙するには選手のレベルが違いすぎたと言えるかもしれません。。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第23節終了)

順位チーム勝点
1JDT2322108878167
2SEL23171564214352
3KDA23162546252150
4SAB23143657332446
5SRP23135542281444
6TRE23106741291236
7PDRM2310492730-334
8KLC238783837131
9PRK2364132547-2222
10NSE2349102645-2121
11PEN2355132539-1420
12KLU2335152356-3314
13KCH2316161845-279
14KEL23221924102-788
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第23節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/59423
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1934/70718
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1733/90419
4アブ・カマラ(KCH)1219/43121
クパー・シャーマン(SRP)1223/43722
6ファイサル・ハリム(SEL)1126/38720
7イヴァン・マムート(TRE)1025/54118
ステファノ・ブルンド(SRP)1020/42021
9ロメル・モラレス(KLC)817/33219
パウロ・ジョズエ(KLC)825/50420
アリフ・アイマン(JDT)818/431122
フアン・ムニス(JDT)820/42420
イフェダヨ・オルセグン(KDA)815/3118
ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

FIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選第2節-マレーシアは2連勝でD組首位浮上

FIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選のD組第2節が行われ、FIFAランキング137位のマレーシアは同152位の台湾と敵地で対戦し、苦しみながらも1-0で辛勝し、2連勝しています。

第1節ではFIFAランキング97位のキルギスをホームに迎え、ロスタイムに挙げた決勝ゴールで4−3勝利したマレーシア。キム・パンゴン監督はキルギス戦に勝利した後も、台湾に敗れることがあればマレーシアは3次予選に進めるだけのチームではないと話し、格上相手との勝利に自信を持った選手たちの気持ちが緩むことを懸念しました。

キム監督は5日前のキルギス戦からFWダレン・ロック(サバFC)、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)、DFドミニク・タン(サバFC)、DFシャールル・サアド(ジョホール・ダルル・タジムFC)の4名に代えて、FWアキヤ・ラシド、MFアフィク・ファザイル(以上ジョホール・ダルル・タジムFC)、パウロ・ジョズエ(KLシティFC)、DFジュニオール・エルドストール(インドネシア1部デワ・ユナイテッド)を起用しています。またキルギス戦同様3-4-3のシステムながら、前線は左からアキヤ・ラシド、パウロ・ジョズエ、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、中盤はラヴェル・コービンオンと、1列下がったアリフ・アイマン(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)が左右サイドハーフ、インサイドハーフにはスチュアート・ウィルキン(サバFC)とアフィク・ファザイル、そして最終ラインはディオン・クールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、ジュニオール・エルドストール、マシュー・ディヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジムFC)と、先発11名中、ジョホールの選手が6名という布陣で、この試合ではディオン・クールズがキャプテンとなっています。


試合は開始からマレーシアが積極的に攻め込むものの、かつてのブキ・ジャリル国立競技場のような土も見えるピッチに戸惑い、ボールコントロールに苦しむ場面も見られます。それでも29分にアキヤ・ラシドが、40分にはスチュアート・ウィルキンがシュートチャンスを得るものの、いずれもゴール上にふかしてしまいます。さらにその3分後には、アキヤ選手のパスがDFを振り切って走り込んできたファイサル・ハリムに渡り、GKと1対1の場面を作るものの、ファイサル選手のシュートはゴールポストに弾かれ、決定的なチャンスを逃してしまいます。

試合を押し気味に進めながら前半を0-0で折り返すと、チャンスがありながら得点できない嫌な空気が立ち込める中、キム監督が動きます。62分には本来のMFからこの試合ではFW的な役割を求められていたパウロ・ジョズエと、ボールに絡む場面が少なかったアフィク・ファザイルに代えて、ダレン・ロックとMFエンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジムFC)を投入して、状況の打開を図ります。すると72分に右コーナーキックからのクリアボールを繋いだエンドリック・ドス・サントスがシュートを放つと、これは台湾GK潘文傑(パン・ウェンチエ)が弾いたものの、ゴール前に詰めていたダレン・ロックがそのこぼれ球を押し込んで、マレーシアがついに先制します。

その後はギアが上がった台湾に攻め込まれる場面はあったものの、落ち着いた試合運びで台湾の反撃を抑えたマレーシアが2連勝で勝点を6と積み上げた試合でした。その後の試合ではFIFAランキング72位のオマーンが、アウェイゲームで同97位のキルギスに敗れる波乱もあり、D組で唯一2連勝したマレーシアが第2節を終えて、首位となっています。

FIFAワールドカップ2026大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選D組第2節
2023年11月21日@台北陸上競技場(台北市、台湾)
台湾 1-0 マレーシア
⚽️マレーシア:ダレン・ロック(72分)
🟨台湾(2):温智豪(ウェン・チーハオ)、王建明(ワン・チェンミン)
🟨マレーシア(1):パウロ・ジョズエ

試合のハイライト映像。スタジアム・アストロの公式YouTubeチャンネルより

FIFAワールドカップ2026大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選D組第2節
2023年11月21日@ドレン・オムルザコフ・スタジアム(ビシュケク、キルギス)
キルギス 1-0 オマーン
⚽️キルギス:オディルジョン・アブドゥラフマノフ(49分)
🟨キルギス(4):エルジャン・トコタエフ、タミルラン・コズバエフ、オディルジョン・アブドゥラフマノフ、ミルベク・アフマタリエフ
🟨オマーン(1):イサム・アル=サブヒ

FIFAワールドカップ2026大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選D組順位(第2節終了)

チーム得失差勝点
1マレーシア22005326
2オマーン21013123
3キルギス21011403
4台湾200204-40