マレーシアでは、本日8月31日はムルデカデーと呼ばれる独立記念日で国民の祝日です。ムルデカ大会でも使われているこの「ムルデカ」はマレーシア語で独立という意味ですが、この8月31日を「マレーシアの独立記念日」と呼ぶには語弊があります。1957年8月31日に英国から独立したのはマラヤ連邦と呼ばれた現在のマレー半島部だけで、ボルネオ島側のサラワクやサバ(独立前の名称は東ボルネオ)の独立は、1963年9月16日にマラヤ連邦とサラワク、東ボルネオ、そしてシンガポールが合併するマレーシアの成立まで待たなければなりませんでした。さらにマレー系住民が多いマレー半島部と、中華系住民が多いシンガポールとの間で民族的、政治的な対立が起こり、死者30名超、逮捕者1000名以上の暴動が起こった結果、1965年にシンガポールが分離されると、現在のマレーシアが出来上がることになります。
AFC U23アジアカップ予選出場のU23代表候補25名が発表
先日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権では3位決定戦でタイU23代表にPK戦で敗れてまたしても東南アジア4位に終わったマレーシアU23代表ですが、休む間もなく来月9月6日から12日までタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ予選が控えています。マレーシアサッカー協会FAMは、この予選に出場するU23代表候補合宿参加メンバー25名を公式サイトで発表しています。なおU23代表候補合宿は昨日8月30日から始まっており、9月4日のタイ出発前までに23名に絞り込まれます。
U23代表は、A代表コーチを兼ねるE・エラヴァラサン監督の下、今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ、そしてAFF U23選手権といずれも東南アジア各国のU23代表相手に4位に終わり、2大会連続でベトナム、タイ、インドネシアに遅れをとっていることから、今回の予選は選手たちはもちろん、監督以下首脳陣にも結果が求められる予選となります。実際にエラヴァラサン監督交代論はメディアやSNSでも目につき始めており、元ベトナム代表監督のパク・ハンソ氏を筆頭に外国籍監督待望論なども上がっています。
今回の合宿参加者25名ですが、エラヴァラサン監督はAFF U23選手権出場のU23代表23名中、14名を再び招集し、残る11名は東南アジア競技大会出場メンバーから9名、そして国外組2名を招集しています。今回の顔ぶれを見ると、AFF U23選手権には出場しなかったものの、スーパーリーグの各チームで主力選手としてプレーする面々が含まれており、今季21試合中19試合に先発しているGKシーク・イズハン(ヌグリスンビラン)を筆頭に、ムカイリ・アジマル、ジクリ・カリリ(以上スランゴール)、アザム・アズミ、サフワン・マズラン(以上トレンガヌ)、T・サラヴァナン、ハキミ・アジム(いずれもKLシティ)らの加入で、少なくともAFF U23選手権出場のチームよりは戦力がアップしています。しかし、その一方でこの予選はFIFA国際マッチカレンダーにも関わらず、U23代表でプレー資格があるダリル・シャム、ラマダン・サイフラー、アイサル・ハディといったジョホールのトップチームの選手はなぜか招集されていません。
今回の予選でH組に入ったマレーシアは、AFF U23選手権の3位決定戦で対戦したタイ、さらにはフィリピン、バングラデシュと同組で、9月6日にはバングラデシュ、9月9日にはフィリピン、そして9月12日の最終戦がタイとの対戦となっています。なお試合は全てチョンブリースタジアムで開催されます。
P | 氏名 | 年齢 | 所属 |
GK | *ラーディアズリ・ラハリム | 22 | TRE |
*アジム・アル=アミン | 22 | KLC | |
シーク・イズハン | 21 | NSE | |
DF | ハリス・ハイカル | 21 | SEL |
ジクリ・カリリ | 21 | SEL | |
*V・ルヴェンティラン | 22 | SEL | |
*ウマル・ハキーム | 21 | JDT II | |
*ウバイドラー・シャムスル | 20 | TRE | |
アザム・アズミ | 22 | TRE | |
サフワン・マズラン | 21 | TRE | |
*ハリズ・マンソル | 21 | KDA | |
アズリン・アフィク | 22 | KDA | |
*M・ラケシュ | 22 | KEL | |
MF | ムカイリ・アジマル | 22 | SEL |
*シャヒル・バシャー | 22 | SEL | |
*ナジムディン・アクマル | 20 | JDT II | |
*ファーガス・ティアニー | 20 | JDT II | |
T・サラヴァナン | 22 | KLC | |
*サイフル・ジャマルディン | 22 | SRP | |
ノーア・レイン | 21 | SJK | |
FW | *アリフ・イズワン・ユスラン | 19 | SEL |
ハキミ・アジム | 20 | KLC | |
*アイマン・アフィフ | 22 | KDA | |
*アリフ・イクマルリザル・アヌアル | 21 | PEN | |
ルクマン・ハキム | 21 | UMF |
女子代表がサウジアラビアの国際大会に出場
マレーシアサッカー協会FAMは、来月9月にサウジアラビアで開催される国際大会に女子代表が出場することを公式サイトで発表しています。サウジアラビアの西部の都市タイフのキング・ファハドスタジアムで9月18日から30日にかけて開催されるこの大会には6カ国が出場します。
ヨルダン出身のソリーン・アル・ズビ監督率いるFIFAランキング89位のマレーシアはグループステージA組に入り、9月18日に170位のサウジアラビアと、9月21日に同157位のパキスタンと対戦します。またB組には同87位ラオス、同138位レバノン、同171位ブータンが入っており、各組の上位2チームが9月27日に予定されている準決勝し、さらにその勝者が9月30日の決勝に進出します。
リーグ戦不振のペナンはマネージャーとTDを解雇、後任は2季連続国内三冠の実績を持つ元クダ監督
マレーシアスーパーリーグ第21節を終えて5勝4分12敗の10位に低迷するペナンは、チーム公式SNSでチームマネージャーのオン・エンフア氏とテクニカルディレクターのカマル・カリド氏との契約解除を発表しています。またこの直後にはその後任に2007年、2008年の2シーズン連続で監督としてクダFA(当時、現在のクダ・ダルル・アマンFC)を国内三冠に導いた70歳のアズライ・コー氏の名前が上がっていることを、スポーツメディアのアストロアリーナのズルヘルミ・ザイナル・アザム記者が報じています。
ペナンFCの公式SNSには、「ペナンFC経営陣は、今季のペナンFCがマレーシアカップでベスト8進出を逃すなど、そのパフォーマンスが精彩を欠いていることを十分承知しており、深く悲しんでいる。また、この状況を改善するために対策を講じる必要も理解している。ペナンFCはオン、カマル両氏に対してこれまでの貢献を感謝したい。」との投稿がされた上で、新たなチームマネージャーは監督を兼任することも発表しています。なお現時点では、チョン・イーファット監督の処遇については何も発表されていません。
ハノイ公安FCのベトナム1部優勝にマレーシア人コーチが貢献
ベトナム1部リーグの2023年シーズンは8月27日に最終節が行われ、ハノイ公安FCは勝点38で並んだハノイFCを得失点差で上回り、1部昇格初年度で優勝を果たしていますが、このハノイ公安FCの優勝にマレーシア人コーチが関わっていると、マレーシアメディアが報じています。
今年1月に元マレーシア代表GKコーチを務めたマレーシア人のアズミン・アズラム・アブドル・アジズがハノイ公安FCのコーチに就任しており、今季優勝については自身のSNSで「まさか今季1部で優勝するとは思ってもいなかった。」と述べたアズミン氏は、ベトナムでの指導に際し、マレーシア人コーチの先駆者としてアドバイスを受けたベトナム1部のナムディンFCでコンディショニングコーチを務めるマシディー・スライマン氏に感謝したいと述べています。なおマンディ氏は2019年にナムディンFCでコーチを務め、その後はマレーシアに戻ってKLシティFCでコーチを務めていましたが、やはり今季から再びナムディンFCのコーチに就任しています。
アズミン氏はマレーシアサッカー協会FAM所属のコーチとして5年間務め、その間には現在はスランゴールFC監督のタン・チェンホー氏が代表監督だった際には代表チームGKコーチを務め、ファリザル・マーリアス(ジョホール)、カイルルアズハン・カリド(スランゴール)、カイルル・ファーミ(サバ)、ハフィズル・ハキム(ハリニ・スランゴールFC)などを指導していました。